人事部長からの質問

2006/10/23 858

学校秀才をビジネスマンに脱皮させる有効な手は?

「当社には学校秀才が集結している。1、2年生を一堂に集めると学校顔が目立つ。彼らを修羅場に強いビジネスマンに脱皮させる有効な手を模索している。総じてものの言い方を知らない。」 と書いておられます。大事なご指摘ですね。学校顔とは言いえて妙です。たしかに、と思います。ひとつのアイデアを提供します。入社後2年間を育成期間と定義して、現場の育成係を経由して、通常の仕事のほかに「研修用難題」を課すのです。先輩に三拝九拝して情報をとらないと前に進まないようなものがベストです。ものの言い方を知らない層とかわいげがある言動がとれる層とで結果が分かれます。脱皮のチャンスですね。

文責:清水 佑三

2006/10/20 857

適性テスト業界はたるんでいる。

「先日、某社適性試験のネット模擬試験についての報道がありました。報道に携わる人たちの無知、時代錯誤の印象を受けました。いまの時代が求めている人材は、あの手のテストでは測れないと思う。学歴主義再評価の動きも気になる。適性テスト業界全体の怠慢があるのではないか。」 というご指摘です。そのとおりだと思います。この業界唯一の上場会社として責任を感じます。だからというわけではないですが、近々、当社はInductive Reasonning Ability(帰納法的思考力)を測る新テストを世に出します。算数の応用問題のように、書かれている内容を整理してゆけば解けるタイプの演繹的思考力ではなく、シミュレーションによって多様な解法に挑戦し、逆算して解をみつけられる「暗号解読力」を問題にしています。応募集団を正規分布上にのせて偏差値を出すテストの時代が終わり、「希少適性」を発見してフラッグを出す新しいタイプの適性テストの時代が来るとみています。弁明になっているでしょうか。

文責:清水 佑三

2006/10/19 856

北朝鮮との間で戦争は起こると思いますか?

起こりうる、と思っています。1940(昭和15)年当時の日本と今の北朝鮮は国情がよく似ていると思うのです。軍部が権力を掌握する、被害妄想にかられる、先手必勝論が支配的になる、口実をつくって戦端をひらく。当時の日独伊の三国軍事同盟にあたるのが、北朝鮮にとってのイラン、シリアではないか。特にイランとの強固な関係が気になります。アルカーイダ、ハマース、ヒズボラ等と表記される武装集団もある意味で二つの国家の援軍かもしれません。歴史を俯瞰して考えると、対米、世界大戦が起こる構造があると思うのです。引き金の役を日朝の地域紛争が果たすかもしれません。そうなってはならないと、今回、中国が立ち上がったように思います。最近のニュースに接しての感想です。

文責:清水 佑三

2006/10/18 855

給料やボーナスも安い。仕事もきつい。退職者が殆どでない。Why?

羨ましい限りです。私が責任者を務める当社では、条件的にはその反対だと思うのに、ぼろぼろぼろぼろと退職者が出ます。Why?と叫びたくなります。原因を遡って考えてゆくと、豊かな生態系という問題にゆきつきます。生物としての個体が安心、立命できる微妙な心理環境を長い御社の歴史のなかで諸先輩方が丹念かつ誠実につくってきたということなのだと思います。今の時代に、天然記念物のような貴重で大切な組織体だと心から思います。ご尊敬申し上げます。

文責:清水 佑三

2006/10/17 854

人事部員の定着を図るにはどうしたらよいでしょうか?

当社のようなクリエイティヴ系の会社はみな同じだと思うが、人事セクションへの配属を毛嫌いする傾向がある。いいタマを人事にもってきても、異動希望がでてすぐでていってしまう。結果的に腰を据えた施策をとろうと思ってもなかなかとれない。どうすればよい?、とお書きになっておられます。満天をうならせるような映画制作やCM、国際イベントにかかわって活躍ができることを夢見て入社してきた人にとって、確かに「人事にゆけ」はきつい冗談かもしれません。開き直って中央省庁の大臣官房秘書課長のような社内人事権を一手に握るポストを用意して、そこへの登竜門として人事セクションへの一時滞在を位置づけたらどうでしょう。社員のうちの何割かは興味をもってくれるかも。

文責:清水 佑三