人事部長からの質問

2006/11/06 867

メンタル疾患者が目立つようになりました。お考えを。

過去3年の新卒入社者から数名のメンタル疾患者がでています。嘱託医の疾患認定以外にも疑われる人が数名います。どういうタイプが入社3年未満という時期で危険だと思われますか?というご質問です。ヘンな自慢ですが、当社は多分、世界でも類例がないほど多く、この分野で実証研究を積み重ねてきています。一概にいえないのですが、目立つのは、対人能力において自信を表明してきた層において発症率が高い、という簡明な事実です。当社のOPQ(パーソナリティ測定ツール)の尺度でいえば「社会性」「指導性」「説得性」などの項目の得点が高いグループがそれにあたります。学校時代、「伝える力」に自信をもっていた人たちの一部が、企業に入り現実の壁にぶつかり、自信喪失してゆくのだと見ています。面接で好印象を与えた層を追跡すべきです。

文責:清水 佑三

2006/11/02 866

CSRとコンプライアンスの違いについてご教示ください。

似て非なるもの、だと思います。コンプライアンスは英語の語法を借りると must be です。文句なくそうしないといけない。そうしないと、糧道を断たれることになります。一方、CSRは should be の世界でしょうか。してもしなくてもよい。ただ、したほうが周囲からの視線に「信頼と尊敬」の要素が加味される、といった感じです。CSRのほうが分かりにくいです。褒めるのでお名前をだしてよいと思いますが、田島ルーフィングさんという会社の応接室にゆくと、たくさんの感謝状が飾ってあります。利益金の寄付や警察、消防等への協力などほんとに地道な社会貢献の証しですね。感謝状を一つひとつ読みながら、当社はどれ一つやっていないと思ったことでした。社長の人間性の違いがでてしまったわけです。

文責:清水 佑三

2006/11/01 865

優秀な営業(職)が退職した。担当顧客を引き継げる者がいない。

よくわかります。仕事がなくなる(売上減)危険がもっとも大きいタイミングですね。格落ちの人を寄越した、それなら、と(先方は)とるのですね。妙案はないです。少数の優秀な営業マンの個人プレーでもっている組織においてしばしば見られる現象です。他の優秀な営業マンは限度いっぱい抱えていて、辞めた人の分までは手がまわらない。ゆえに、ご指摘のリスクを折りこんでやってゆかざるを得ないです。構造的なリスクです。ただ顧客を悲しませるのは辛いことです。思い切って非優秀な営業マンからなるチームプレー主義の組織を模索したらどうでしょう。私がよく知る某社が長い間とってきているやり方です。ただし、非優秀だが、人間的には誠実さをもっている人たちの群れでないとダメです。

文責:清水 佑三

2006/10/31 864

会議などで不機嫌そうな顔をする人がいる。注意すべきか。

いますね。たくさんいます。給料が「機嫌よく振舞うお手当」だということを知らないのです。自分の顔(の表情)が勝手に動いてるんだよ、うざったいこと言うなよ、がその人の気持ちかもしれません。ご指摘のように注意してなおるものか、疑問です。その人が長い間に育んできた「作品」なのかもしれないからです。20年でつくられた「作品」を壊すには20年かかるのです。私が自分でとっているやり方をご紹介すると、気にしない修行をしてその問題を超越する、です。座禅がいい。気分を壊すものを見せ付けられても壊れないように自分の内観を座禅によって鍛えるのです。座禅、断食などの荒行はそういう内観をつくるのにきわめて有効です。禅寺にこもらないで日常生活で座禅をするにはどうしたらよいか。ここでは具体的な修行法には触れないでおきます。

文責:清水 佑三