人事部長からの質問

2006/12/12 892

今、何に情熱を燃やしておられますか?

企業人を36年間やってきて、たまたま現時点では社長業を営んでいますが、その暖簾は暖簾として、もういちど課長職の仕事をきちんとやってみたいと思って、場を用意してもらい、情熱を燃やしています。直属の課員(メンバー)の人たちはさぞかし迷惑していると思いますが、これも何かのご縁なので仕方がない。自分が考える「課長はかくあるべし」を本気で実演してみたい。何をしたいか、「楽して儲けて尊敬される課」を作ってみたい。楽して、とはみんなで楽しんで、という意。儲けて、は文字どおりすべての課の中で1人あたりの利益額最大化です。尊敬される、は連携する他部署の人たちから仕事の仕方で顰蹙を買わず、その反対に一目置かれる社内的な存在を目指す、です。30歳代の後半のときに戻ったような気分で頑張っております。

文責:清水 佑三

2006/12/11 891

賃金制度の改革を模索している。技術者の多い会社。ヒントを。

ご自分が社員の1人としてどういう制度を望んでいるかが一番大事です。私の意見は、単純で、(1)差別感を刺激されない、(2)やった部分をみてくれて「形」になる、(3)今年より来年、そのまた来年と月給アップが期待できる、この3つの条件を満たしていることです。事務職、技術職の違いはあまり関係ないと思います。(1)は、身分採用が定年まで固定化され給与などの処遇に影響する、ことの否定です。(2)は少なくとも賞与で「頑張った部分」が認められることです。(3)はすべての社員について、(いかなる理由があれ)月例給与がアップダウンすることは好ましくない、です。ダウンさせられる側はどんな説明も納得しないものです。以上は一般の社員について言えることです。管理・経営の任にあたるものは権限委譲にみあった成果主義を導入すべきです。

文責:清水 佑三

2006/12/08 890

かわいい子を好む性質は同性間でもありますか?

「まわりの女の子はみんなかわいい女の子と友達になりたがってるように見受けられます。異性間のあいだなら分からなくもないのですが、女性がどうしてこういう気持ちを持つのか不思議でたまりません。人の気持ちを研究してこられた、清水先生、疑問をといてください。」…男子学生の方からのご質問です。人をペットの視点でみれば読み解けるように思います。人数比をとれば、かわいくない犬よりもかわいい犬を好む人のほうが圧倒的に多いのでは。そのときに性別をみているかといえば見ていないと思います。自分の手の届くところに愛玩できるかわいいペットをもちたい、そういう欲求説でご指摘の疑問って読み解けないでしょうか。

文責:清水 佑三

2006/12/07 889

名選手≠名監督はわかるが、下手な選手を監督にはできない。

「実績のある選手を自動的にコーチ、監督にすることの危険はよくわかる。だからといって監督適性をもとに、実績がない選手を監督に抜擢してよいのか。」 という主旨のご質問です。言外にそれはできない、というニュアンスがあります。私はご指摘の意見が(今の日本の企業社会において)多数派を形成していることは認めますが、選手実績を無視せよという監督適性優先論者です。映画でいえば、俳優と監督は明らかに違う仕事だと思うからです。よい映画を作ろうと思ったら、監督の卵を早期発見して育成する道をもち、同様に台本作家の卵を早期発見して育成する道を用意するべきです。企業にも野球と同じGMが必要だという認識です。そういう時代に突入したとみています。大相撲のように、関取→親方→協会幹部という一線路しかないのはヘンです。

文責:清水 佑三

2006/12/06 888

社員同士で飲みにゆかなくなりましたが。

「自分の新人時代、先輩たちがよく飲みに連れていってくれた。最近の新人たちをみているとそういう機会が減っている。こういう機会が果たしてきた役割は大きかったと思う。」 というご指摘です。ひとつのいわゆる懐古趣味ではないでしょうか。人は人、桜は桜、秋の空です。必要かつ十分な対話はいついかなる場所においてもなされるもの。それが人のなりたちだと私は考えています。赤提灯がテニスのグランドに変わったり、SNSへの書き込みになっているだけなのでは?むしろ、今の時代、社員同士に限らず、自分以外の人との対話の質・量とも(ネット文明の恩恵を受けて)格段の密度、頻度になっているのではと思います。戦争を民族間憎悪の一つの形式、と定義すれば、インターネットは確実に戦争を減らす効用があると私はみています。飲みにゆかなくても友誼、交流はいくらでもはかれます。

文責:清水 佑三