人事部長からの質問

2006/12/19 897

新卒は、即戦力に徹するべきか?

「早期退職者の人たちの一部に、将来の当社を背負って立ってくれるのでは、と期待を抱かせた人が含まれる。選考時にこのタイプはうちにいないと思って意識して採りにいった層だ。反対に即戦力という意識で採った人はやめない。新卒は即戦力に徹するべきか。」 という主旨のご質問です。多くの会社が抱えている問題への言及です。中途は即戦力といわれますが、新卒までそうなのか、ブルータスお前もか、の心境になりました。解決案はないと思いますが、キャリア組という新概念をもってはいかがでしょうか。将来のボードメンバー枠の採用です。多国籍企業で多く使われている手法です。世界的なブランド大学の卒業生に対して管理職登用とまったく同じアセスメント・センターを行い、マネジメントのセンスをもつ人を厳選し、特殊なキャリアパスで鍛える、です。初任年収も通常採用よりも100万円以上高くしたほうがよいです。そういうやりかたでボードメンバーを育成してゆかないと国際間競争に勝てない時代が来た、ということだと思います。

文責:清水 佑三

2006/12/18 896

先生はご自分のストレス耐性をどうみていますか?

「私は可もなく不可もなく中間だと思っているのですが、先生はどうですか。」 というわかりやすいご質問です。私の場合、極端に弱い方だと思います。つい先日もあるお客様のところで、面接法についてのインストラクションの仕事をさせていただいたのですが、始まってすぐ、参加者のひとりの方からプレゼンの仕方をこっぴどく(満座の中で)叱られ、以後、落ち込んでしまいました。半端でない落ち込みで、翌々日から全身の神経が痛みはじめ、昨夜まで痛くて眠れなくなってしまいました。ああいう叱られ方をするとダメなのです。相手の方の言い分がそのとおりだと思う分、かえって救いようがなく、自殺する夢を一生懸命みようと思ったくらいです。

文責:清水 佑三

2006/12/15 895

寡黙な人ほど、ブログ等では多弁な気がします。なぜでしょうか?

おっしゃるとおりですね。闇夜から鉄砲を撃つ、排泄物を人の目にさらす、がブログの一面です。おっしゃるように寡黙な人は、その二つの欲求を我慢していきている人と定義できます。いじめたいがいじめのグループに見えるところでは加わりたくないのですね。そういうタイプの人にとってブログは「渡りに船」「鬼に金棒」「なんとかに刃物」なのです。ブログによって、(ひとつのいわゆる)精神の安寧がはかられているのです。それが絵解きですが、「So What?」という気持ちもあります。それはそれ、そういう趣のものナマコかな、という感慨です。いいじゃんか、と思うのです。

文責:清水 佑三

2006/12/14 894

コンプライアンス問題って本質は何なのですか?

「この問題で社内行脚をしているが、どこへ行ってもみな上の空で話を聞いてくれない。隔靴掻痒の感がある。どうしてこうなるのでしょうか。」 というお尋ねです。コンプライアンスを法令遵守、と言い換えても同じ反応になるでしょうか、と逆質問したいですが、それは別にして、理由は単純です。社内行脚している工場には善男善女しかいないからです。そういう人たちに、逮捕事由を手元において生きている特殊パーソンについての話をいくらしても、馬の耳に念仏となります。もともと関係ないのです。法令遵守問題の本質は親鸞聖人がいわれた「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」の悪人が1000人に1人の割合で棲息するという事実によっています。悪人が高度知能をもっている場合、社会の公器である企業を私物化して、数々の悪行をする現象をいいます。劇画的すぎますか?

文責:清水 佑三

2006/12/13 893

工場でいじめがある。学校よりもひどい。

「業界を含め、匿名でお願いします。当社では、新卒採用された後、まず3ヶ月工場で現場の仕事について学ぶのですが、その研修期間中、ブルーカラーの人たちから暴力を振るわれることがままあります。情報があがってこない。学校のいじめが話題になっているが、工場でも現実にある。」 という内容のメールが届きました。企業内いじめの問題を研究テーマにしたいと思っていた矢先だったので、このメールには驚きました。やっぱり、と思ったのです。このメールで思いだされたのは吉田満さんの『戦艦大和ノ最期』です。学徒出陣組に対する職業軍人たちの執拗ないじめは、工場のブルーカラーの人たちの新卒キャリア組に対するいじめに根っこの部分で共通すると思います。人の性質のなかに流れ込んだ「チンパンジー性」によるとみます。短い紙幅で委曲を尽くせないのが残念ですが、この問題についてはよく勉強し、調べて、いつか本を書きたいです。お待ちください。

文責:清水 佑三