人事部長からの質問

2007/02/05 926

NHKは見ないんです。それでも受信料を払わないといけない?

いけないですね。なぜか、受信料だからです。視聴料(ペイ・パー・ビュー)だと違います。視聴しない限り払う必要はないです。キマリだと言われて契約させられ、腹が立って仕方がないと書いておられますが、腹が立たなくなる方法を教えましょう。教育テレビの「フランス語講座」のような番組を見て勉強するのです。実によく出来ています。この講座と同等のものを市販品で買ったら、受信料の数倍とられます。「フランス語講座」から「ゴルフ教室」へ、次から次へ対象をひろげていってください。理不尽な社会をこんなおいしい社会はないと思うようになる「視点の転換」です。

文責:清水 佑三

2007/02/02 925

『逆面接』拝読しました。管理職昇格面接への活用を模索中。

「採用での逆面接の有効性はご著書を拝読させて頂き実感できました。管理職昇格試験でも逆面接を使えないかと考えています。具体的な活用法で何かヒントがあれば教えてください。」 というご質問です。逆面接は、応募者に質問権を与える形の面接です。質問の仕方から、被面接者の「質問力(究明力)」を評価します。「質問力」は、新聞記者、アナリスト、捜査員、医師、弁護士、経営者などの必須コンピテンシーです。価値ある情報を組織的に引き出せる人とそうでない人とがきれいに分かれます。さて、お尋ねの管理職昇格面接への応用ですが、管理職の先輩に何でもいいので質問してください、でよいと思います。一定の時間内でつむぎだされる質問群を距離を離して眺めると、その人の価値観や問題意識が透けて見えてきます。社長になることを視野に入れて毎日を過ごしている人と、一プレーヤーとして自転車操業している人との違いが面白いようにわかるものです。

文責:清水 佑三

2007/02/01 924

「自己表現」という言葉が薄気味悪く感じます。なぜでしょうか?

現代文明批判とも言えるご質問です。次のような補足メモがありました。「私は過去、自己PRを、という面接官の言葉に対し、抜きがたい不信感を感じていました。無反省にその言葉を使う面接官の知性を疑ったのです。正社員の居心地の悪さを捨て、長くアルバイト職におりますが、何と健康な毎日よ、と実感しています。」 寅さんがさくらやおいちゃんたちが期待する「会社人間」を、断固拒否しつづける感情に通じますよね。ご質問を寄せられたMさんに贈る言葉があります。良寛戒語からの借用です。「言葉の多き、口のはやき、てがら話、能く心得ぬことを人に教ふる、ことごとしく物いふ、さとりくさき話…」これらは全部ダメ。「霞立つ 長き春日を 子供らと 手まりつきつつ 今日もくらしつ」、これがイイのです。

文責:清水 佑三

2007/01/31 923

エリート組を採ると自分の雑務ができない?

「当社は、一人ひとりがすべて任務をもって動くフラットな組織です。中途採用でキャリア組的な人を採用すると、コピーとか交通費の精算など単純な事務作業ができない。習慣がなかったのだと思います。事前にその人が、自分の身の回りの仕事を全て自分でできる人かどうか、見抜く方法があれば教えてください。」 回答しましょう。その手のことは「インターンシップ」以外の方法では見抜けません。無意識でなされる(習慣化された)行動は、意識を媒介にしてなされるあらゆるテスト、事前チェックをすり抜けてしまうのです。仮に面接で「身の回りの雑務はできますか?」と聞くとしましょう。「はい」でオシマイなはずです。

文責:清水 佑三

2007/01/30 922

昇進・昇格制度改革について教えてください。

「社内の昇進・昇格制度改革に取り組んでいる。昇進・昇格時に使ってきた試験のようなツールを変える手があると思うが、落ちた人たちから新ツール批判の大合唱が起きるのが目に見える。ツールを変える以外になにか策は無いでしょうか?」 あると思います。昇進・昇格面接時の「面接官と評価基準」を変えるのです。たとえば、今までは「何でもよく知っていて弁は無類に立つが、リスクテーキングした経験は皆無」という人でも上がって来れたような「面接官と評価基準」だったとしましょう。それを許さない「面接官と評価基準」に変えてみてください。今まではパスした人たちが軒並み討ち死にしたとすると、次に受ける人たちは「傾向と対策」を用意するはずです。その人たちが「リスクテーキング」するようになったら会社は発展します。

文責:清水 佑三