人事部長からの質問

2007/03/06 946

社内に託児所を作ることの是非。

「当社は治験コーディネータという特殊な仕事をしています。仕事の関係から社員の90%が女性です。トップから人事部に自社社員用に託児所をつくるよう指示が届きました。そもそもそれが人事部の仕事なのかを含めてとまどっています。」 と書かれていました。とまどう理由がわからない、というのが正直な感想です。トップの指示は適切であり、時代の先端を行っている感じがします。また組織分掌の件ですが、人事部の仕事だと思います。それも王道のような仕事です。人事部の本質は、社員一人ひとりが気持ちよく安心して働ける環境をつくること、に尽きるからです。よい意味で評判になると思います。

文責:清水 佑三

2007/03/05 945

資格取得支援会社の派遣業務進出をどうお考えになりますか?

「弊社は国家資格等の取得支援をする企業です。資格取得者に働きかけて、今後人材派遣業務に力を入れて行こうという動きが社内にあります。教育的なビジネスに誇りをもつ社員の中には派遣事業者に転じることに抵抗を感じる人もいます。先生はどうお考えになりますか?」。どうして抵抗を感じるのかがわかりません。たとえば産業カウンセラーという資格をとっても「実践の場」がないといって嘆く人はたくさんいると思います。そういう人たちに活躍の場を与えるのはむしろ社会的使命だと思うのですが。世間の顰蹙を買うマッチポンプ(火をつけておいて、もみ消しで儲ける)とは本質が違うように感じます。

文責:清水 佑三

2007/03/02 944

対話を可能にする土壌とは?

「最近トップがやたらと対話、対話といいだしました。何をさして対話というのか。対話を可能にする土壌がないなかで対話、対話と叫び続けて何の意味があるのか。翻って、対話を可能にする土壌とは何なのか。」 と書いておられます。対話を可能にする土壌、という言葉はおもしろいです。うまくいえませんが、非常に微妙なところを衝いている言葉です。さて、私の回答です。対話を可能にする土壌とは、ミミズや多様な虫が生息する土壌です。つまり天然自然の土壌です。農薬散布してミミズも雑菌も生きられない「死の畑」には、力のあるトマトは生まれません。トマトもどきがつくられます。職場と人も同じです。いろんな過去や未来をもつ人がいて、そういう人が仕事を共同でやるために自然に話し合うような職場が対話を可能にする土壌です。

文責:清水 佑三

2007/03/01 943

なぜ、着うたを利用するのですか?

「私は、着うたの存在意味がわかりません。電話やメールがくるのを教えるという意味では、歌わない着メロで十分こと足りていると思います。着うたを利用する人たちの深層心理はどうなっているのでしょう?着うた利用を理解できないでいる私をお導きください。」 と書いておられます。お導きくださいとおっしゃいます。私は導師でしょうか。どうして?…理由は、音楽には器楽と声楽とがあるからです。着信通知に音楽を利用すると癒される、ここまでご賛同をいただけるのであれば、後は、器楽が好きな人もいれば声楽が好きな人もいる、好みの問題である、もご納得いただけるのではないでしょうか。そのうち長唄や尺八も登場するように思います。

文責:清水 佑三

2007/02/28 942

諸手当についてどう考えればよいでしょう。

「給与制度改革案を作っています。今ある生活関連の手当(住宅手当、扶養手当、子女教育手当等)ですが、住宅手当はやめる方向で考え、少子化問題への貢献という角度から子女の扶養・教育手当などは残すという方向を考えています。間違っているでしょうか。」 というご質問です。間違っていないと思います。企業が従業員に支払う給与は、ビジネスニーズ(役務提供補償)を満たすだけでなく、ソーシャルニーズ(その時々の社会的責任)を満たすという一面をもっています。社宅が流行らなくなった今、住宅手当も流行らなくなりました。その分、基本給でくれという声が強い。一方、少子化対策はまさに時代ニーズです。経済的な負担が大きくなるのに子供を持とうとする社員に対して、扶養、子女教育等の名目をつけて、経済的負担の軽減を図る。まさに企業の社会的責任の一つの表現だと思います。

文責:清水 佑三