人事部長からの質問

2007/04/03 965

5年前に比べて学生の質が落ちた?

「ビジネスセンスをみたいと考え、管理職登用資格試験で使っているイントレー演習をやさしくして応募者にやらせてみました。前にも同じ試みをやったのですが、今年の受験者の方が回答の質がおしなべて悪かった。5年前に比べて学生全体の質は落ちていますか。」というご質問です。そうだと思います。グーグル文明によって、頭脳の商社機能は発達したが、メーカー機能が弱体化した人たちが世界各国で輩出しているとみています。メーカー機能の本質は「かくあるべきものをかくあるべきものとして作る」ことです。イントレー演習は、目の前に錯雑とある情報を「かくあるべきものをかくあるべきところに置く」ことを求める演習です。右脳を使います。そういう能力は人類全体で幾何級数的に減衰していますね。

文責:清水 佑三

2007/04/02 964

普通の人を優秀な人に変身させる方法は?

「同業のトップグループ企業は優秀な社員が揃っている。当社は規模的に二番手、三番手グループに入る。応募してくる層がトップグループ企業と比べて見劣りするのが現実。二番手、三番手グループの企業がトップグループに負けないためには、入社後の教育が大事だと思う。どうやったら普通の層を採って入社後に優秀層に変えることができますか?」。ある重電人事の方からのご質問です。当社において同じことをいつも考えているので、ご質問に強い共感を持ちました。答えは一つだけです。売上・利益志向をストップして、教育志向の会社に変えるのです。会社を道場だと見、稽古、稽古の毎日にすればよい。怖い師範代を揃えて、厳しい稽古を続ければ、やがて普通の人たちの目の色が変わってくるでしょう。当社で現実に採っている方針です。

文責:清水 佑三

2007/03/30 963

よいことを言って採ったとしても、戦力化できれば「悪」ではない?

「当社の場合、説明会でできるだけ会社の実態を話す姿勢をとっています。ライバル社はそうではなく、説明会等で薔薇色の話を展開している気がします。結果としてライバル社の方が学生受けがよく充足率が高い。これってアリだと思いますか。」というご質問です。ライバル社の説明内容の「薔薇色部分」が実態と大きく乖離していないならアリだと思いますね。そうではなくて、「残業、休日出勤、まったくないです」式の実態を無視した虚偽広報の場合、ライバル社はいつかこけると思います。自滅的内部崩壊が起こる筈です。その場合は気にしないでいいです。待てば海路の日和あり、というふうになります。

文責:清水 佑三

2007/03/29 962

後走グループ20%をゼロにしたい。ヒントを。

「社員の出来について2:6:2論をよく耳にします。なんとかして、これを0:8:2にしたい。つまり下の2割の人をなくしたい。何か良い方法はありますか?」というお尋ねです。落ちこぼれ対策に頭を悩ませられる教育現場の問題意識に重なりますね。ところで、入学試験でほぼ同じ点をとって入った学生100人の入学後の成績を調べると釣鐘状の正規分布となります。得点の高低に関係なく正規分布性は維持されます。これって不思議なことですよね。同程度の記録をもつ100人がマラソン大会で走ると串団子のようになるのと同じです。人の心の奥底にある競争心理が顕在化して能力差を反映しない成績差を作るのだと思います。そこからの演繹ですが「よい案はない」です。

文責:清水 佑三