人事部長からの質問

2007/04/17 975

斎藤佑樹と田中将大、二人の初舞台についてご感想を。

BS日テレで見ていましたが、東京六大学開幕戦の神宮球場にはかなりの客が入っていました。事前に登板アナウンスをしていない中での話なので、予告をしていたら内野席は満員になったのでは。それはともかく、佑ちゃんは甲子園のときに比べてスライダーのコントロールがおかしかったです。ただストレートは勢い、コントロールともよかったです。他方、田中将大投手ですが、初舞台だけでいえば、斎藤佑樹に比べて気負いが強かったですね。このままだと「自惚れ」のゆきどこがなくなってしまい路頭に迷いかねないです。野村監督の我慢がどこまで続くかです。少なくともここまでを見た限り、急がば回れの道を選択した、斎藤佑樹に軍配をあげます。知恵のある人です。

文責:清水 佑三

2007/04/16 974

社員の能力開発をしたい。人事の独り善がりと言われないようにしたいが。

「集合形式でセミナーを開催し、社員の能力開発を行っていきたいと思っている。現場からの要請でスタートするわけではないので、注意が必要だと思う。人事部の独り善がりのセミナーと言われないための良いアイデアがあればご教示願いたい。」というふうにお書きになっておられます。あらゆることは問題意識の高低、深浅で結果がきまります。ご指摘のような問題意識を持たれる限り、失敗はないですね。保証書にサインします。一言だけアドバイスがあるとすれば、現場のマネジャーが投げ出してしまっている部署ごとの難度の高い「重要な障害」をとりあげ、衆知を集めてR&Dする演習がよいです。そこで得られた思考の所産はそのまま現場のマネジャーへのよいお土産となります。

文責:清水 佑三

2007/04/13 973

給与以外に社員のモチベーションを上げる方法は?

「当社は成果主義的処遇制度をとっていません。給与以外のところで社員のモチベーションを上げるよい方法はありますか?」そうですね。360度評価制度はいかがでしょうか。周囲の人が気づいた「仕事上の頑張り、善行」を毎週360度評価し、本人にフィードバックするのです。「仕事上の頑張り、善行」に限定するところに意味があります。どうしてそんなことを思いついたか。歯医者さんでの衛生士さんの一言がきっかけです。「よく磨けていますね。いいですね。3ヶ月後も期待していますよ。」という一言で毎日、一所懸命に歯を磨くようになるのです。たった一言です。周囲のたくさんの人の「たった一言」はみなさんのモチベーションを高めてくれると思います。

文責:清水 佑三

2007/04/12 972

留学生採用についてどう思われますか?

「日本の大学で学ぶ留学生の採用を行っていない。理由は、結局は本国に帰ってしまうから。そうも言っていられないという気が最近してきている。各社各様だと思うが違う文化をもった人を採用することについてのお考えをお聞かせ頂きたい。」というご質問です。留学生が会社に入ってから活躍できるだろうかという視点からのご質問ですが、私の視点は違います。いきなり外国人雇用をするのは難しいが、そのノウハウを学ぶために在日留学生出身者を雇用するのはメリットが大きい、ということです。相撲の世界を見ているとわかりますが、同じ条件で勝負すると外国人の方に軍配があがります。会社間で世界選手権を争う場合、優秀な外国人プレーヤーをどれだけもつかの戦いになります。長い将来を見据えたときに外国人をうまく雇用し戦力にするノウハウはきわめて重要であります。それを学ぶ機会と捉えるとよいと思います。

文責:清水 佑三

2007/04/11 971

人材ですか、人財ですか?

あまり意味がない議論ですね。人材も人財もヒューマン・リソース(人的資源)という視点からの言葉だと思うが、資源とは有用な働きに転化しうる「みなもと」をいいます。有用な働きに転化させる具体的な手順、技術がない限り、資源たりえない。日本は海に囲まれていて、他の国に比べて簡単に海水を使えます。ただ、海水をもとにして有用な何かを作りだす技術がない限り、海水そのものは資源にならない。同じことが人間についても言えます。一人ひとりの個別性に注目してそこから社会の有用な働きに転化させる「テクノロジー」が開発されない限り、人材でも人財でもないただのヒトです。ソクラテスの時代から「教育」は議論されているが、当時と何も変わっていません。そんな打出の小槌のようなものはないのかもしれません。

文責:清水 佑三