人事部長からの質問

2007/04/24 980

会社説明会で学生から質問が出ない。どうすればよいか?

「ここ二、三年の特徴ですが、会社説明会の最後に質問を受け付けているのですが、手を挙げて質問してくる学生がほとんどいない。学生の不安や疑問と対話しより理解を深めてもらいたいと思っているのだが、こういうときはどうすればよろしいのでしょうか?」というご質問です。インターネット匿名文明が「名乗りをあげて雌雄を決する」平家物語の国民的伝統を殺してしまったために挙手して質問できなくなってしまったのです。質疑の時間に入る前、10分くらいの休憩時間を設けて、小さな紙を渡した上で匿名形式で「20文字以内の質問」を一つだけ書いて貰ってください。ホンネで知りたいと思うことを書いてきます。

文責:清水 佑三

2007/04/23 979

指示待ち組織を自立組織に変えたい。何から手をつければよいか?

トランプゲームの“51”のたとえですが、「全とっかえ」しかないです。その理由は「指示待ち」「自立」は、ちょうど右きき、左ききのような反対タイプを区別する言葉だからです。右ききの人は右手の感覚がどんどん発達し、左ききはその反対になります。使わない方の手の感覚は次第に劣化してゆくのです。使わないために鈍ってしまった感覚は再生不能です。それゆえに、指示待ちタイプばかりからなる大人の集団を自立タイプに変えるのは不可能なのです。トランプでいえば、全とっかえしかないのです。

文責:清水 佑三

2007/04/20 978

中途採用者の流出を防ぐ良い方法はありますか?

「創立間もない会社。中途採用者が入ってすぐやめてしまうことが多い。彼らを繋ぎ止める良い方法はないだろうか?」というご質問です。やめてしまう人のやめてゆく理由やプロセスの把握が必要です。どういう理由で採用したかを含めて、退職者についての情報をもつことが大事です。そのためには、現場配属後も採用チームが中途採用者とコンタクトし、話し合う時間を多くもつことです。すべての対話の要点を記録しておいてください。また、退職の申し出があった場合、やはり採用チームが現場に出ていって、申し出た人と面談するべきです。そこでの対話は特に重要です。こうした記録が蓄積されてくれば、そこから対策が自然に見えてくるものです。情報がない中での方法立案は絵に描いた餅になります。

文責:清水 佑三

2007/04/19 977

内定者に最も“受ける”フォローのやり方は何だと思いますか?

「今までのような社内イベント(運動会や飲み会等)への呼び込みや、e−ラーニングによる刺激ではありきたり過ぎてダメな気がする。今の若い人たちが何に価値を置いているのかよくわからない。御社ではどうされていますか?」というご質問です。当社の場合、ホームページ上の社長インタビューによって動機形成されている人が多いので、熱海にある私の家に入社有資格者を呼んで一泊二日の懇親会をします。ちなみに当社の場合、10月1日の内定伝達式までは内定者と呼ばず、入社有資格者と呼んでいます。熱海にくると温泉気分になり、結構みなさんホンネを話してくれます。それならそっちのほうがいいよ、そっちへ行ったらとくつろいだ感じで言うと、その後いろいろ逡巡して、結果として入社してくる人が多いですね。

文責:清水 佑三

2007/04/18 976

SEは面接官に不向きですか?

「現場のSEは、社員として言ってはいけない事(経営否定など)を言ってしまうことがある。SEの中には人と話すのが得意でない人もいて被面接者に悪い印象を与えてしまうこともある。現場のSEを面接に引っ張り出すのは得策ではないのだろうか。」と書いておられます。SEにも営業的な側面をもった仕事をされている方たちがおられると思います。その人たちに限定して面接をお願いしたらいかがでしょうか。おっしゃるような不適切発言や対話下手の危険は回避できると思います。ただ、ご指摘のリスクをもつ人たちに面接をお願いするメリットも実はあるのではと感じます。入社後の現実を眼前に彷彿させる効用です。そういうSEの辛口面接を受けて入ってくる人は長持ちします。

文責:清水 佑三