人事部長からの質問

2007/05/11 990

本部長と部長の要件の違いは?

師団長と連隊長の違いですね、といっても何が何だかわからないですか?師団長は、(日本陸軍の常識では)軍隊における一正面の作戦を遂行する能力をもつ最小の戦略単位を預かる長です。複数の職種集団を束ねて作戦を遂行することが任務です。一正面を預かる、戦略をもって動く、作戦遂行の全能力をもつ、などが師団長の要件です。一方、連隊長は歩兵、騎兵などの同一科目の最大単位を預かる長です。職種集団のボスですね。その職種の「冥利と悲哀」を知り抜いていることが連隊長の要件です。組織論は多く軍事に依拠しています。世界の兵制の歴史、現状、課題等をよく勉強すると、人事マンとしての素養がつきます。

文責:清水 佑三

2007/05/10 989

ジャイアンツ強いですね。

ここまでのところはよい面ばかりが出ていますね。高橋(由)、谷、小笠原、阿部の試合に臨む必死な態度、姿勢のようなものがチーム全体に波及している、左腕投手陣の頑張りが右腕投手陣に波及している、ストッパーへの職種替えを上原が呑んで真面目に仕事をしている、走れないという予想を裏切って塁を盗む、などなどがここまでの好調要因にあげられます。でもみんな結果論です。中日、阪神の先行逃げ切りを予想した批評家は頭を丸刈りにしないといけない。まだ序盤だから三分刈りでしょうか。勝負ごとは戦争を含めてやってみないとわからない、ということでしょう。

文責:清水 佑三

2007/05/09 988

初任給を引き上げたいが。

引き上げたいという理由が問題だと思います。現状があまりに低すぎて応募者が来ないという理由であれば別ですが、そうでないなら、現状維持をお勧めします。その理由は初任給の引き上げは俸給表全体の改定につながり(御社のような規模だと)企業損益に与えるインパクトが大き過ぎること、ここ数年は物価が横這いで推移していること等です。ある部門でのよい人材の確保が狙いであるなら、初任給のベースアップという手段ではなく、職種別賃金制度を用意して労働の需給関係(市場価格)を吸収できるようにしたほうがよいと思います。結果的に一部職種について初任給アップとなりますが、企業損益へのインパクトは小さくなります。

文責:清水 佑三

2007/05/08 987

営業から人事にきました。気をつけることは?

人事といっても多様な仕事があり、いちがいにいえない部分もあります。ただ、営業と人事という大くくりの比較をすれば、遭遇戦とインフラ構築の違いがポイントだとみます。営業はどこまでいっても遭遇戦から成り立っており、そこで強くなければ意味不明です。人事は逆で、兵站の整備が仕事です。限りなく物流システムの構築に近い。人事と物流の違いは、対象が物ではなく、全社員の人心であるということだけです。ここから逆算的にいえば、人事は、宮本武蔵が『五輪書』で書いている「見(ケン)の目弱く、観の目強く」が要諦になります。物ごとを遠くからうららに見る、ということです。

文責:清水 佑三

2007/05/07 986

社長と社員の意思疎通をはかる良い方法はありますか?

「従業員規模300人の企業です。社長は開発、製造、営業の大事なところをすべて個人技でやっていて、それによって当社は成り立っているといえます。ただ、社員との意思疎通はうまくいっているわけではなく、社長の“笛吹けど踊らず”の空回り状況が続いています。何か良い方法はありますか?」というご質問です。社長が何もしないわが社とまったく反対だなあと思いました。それはともかく、名案ほどではないですが、社長の言語を理解できる少数の「通訳グループ」を組織するのです。彼らに骨を折ってもらって、社内のメルマガみたいなものを作るのですね。安倍晋三さんが、小泉政権誕生時に、官房副長官としてやった仕事の一つがそれでした。小泉メルマガは受けましたね。そういう「情宣」活動を地道にやられるといいと思います。

文責:清水 佑三