人事部長からの質問

2007/06/01 1005

社員の行動に影響を与える経営ビジョンの打ち出し方は?

「東ハトさんが民事再生中の危機に直面していたとき、“お菓子を仕事にできる幸せ”という絵本をクリスマスに社員に配布したそうです。こういうのっていいですよね」というコメントが添えられていました。おっしゃるとおりですね。私が前職で仕えたH社長は、ことあるごとに「お父さん、いい会社に勤めていてよかったね」と家族から言われる会社にしたいと言い続けていました。私は当時、専務職にありましたが、まったくそのとおりだと思い、自分の専務職としての行動の指針にその言葉をいつも置いていました。そういうことですよね。

文責:清水 佑三

2007/05/31 1004

官僚になりたい人がもともとヘンなのか、普通の人が官僚になるとヘンになるのか。

自分たちの天下り先に血税を優先配分している姿が白昼公然となった独立行政法人「緑資源機構」の問題に触れてのお尋ねです。アップアップしている庶民から吸い上げた血税を、無反省に私物化するようなことがどうして平気でできるのか。もともと官僚になりたいと思う人は、そういう泥棒根性をもった人たちなのだろうか、突き詰めると質問者の関心はそこにあるように思われます。私はもともと官僚になりたがる人の精神構造はヘンなのだとみています。最優秀な官僚だといわれた某大臣が「女性は産む機械」と口をすべらしたのは偶然ではない。物事を俯瞰してみることしかできない官僚的発想の典型ですね。そういうふうにものが言える人にあこがれるタイプの人がこの世にいて、彼らが真剣に官僚を目指すのだと見ています。

文責:清水 佑三

2007/05/30 1003

360度評価法を使って「要研修」の管理職を選別したいが。

すべての管理職に対する集合研修とは別に、特訓的個別的な研修機会を持ちたい、その場合、特訓に呼ぶ管理職をどのようにして選別すべきか、360度評価法はその目的のために有効かというお尋ねです。有効だと思います。サッカーや野球の審判で「要研修」の人を特定するときにどういうやりかたをするだろうか。それを考えると360度評価法の本質がわかります。おかしな審判のあぶりだしには、ミスジャッジで被害を受けた選手たちの「入れ札」制度がもっとも現実的です。多くの選手が特定の審判に対して同じような被害を言ってくる場合、事実無根とは考えにくいです。360度評価法を、部下たちの被害情報のコレクションシステムと考えればよいのです。次なるステップは「要研修」ですよね。

文責:清水 佑三

2007/05/29 1002

ガンになりやすい性格というのがあると聞きました。

ガンによる死亡率がどんどん上がり続ける国とそうでない国と分けて考えると面白いですね。前者の例は日本です。後者の例は、モンゴルの遊牧民などでしょうか。最近の日本人の心理状況を要約すると、1. 生活がよくならない閉塞感に多くの人がイライラしている、2. 自虐史観に代表されるように自己嫌悪感情が強い、3. 末は博士か大臣か、のようなシンプルな未来展望を持てない、4. 親、兄弟、配偶者、隣り近所などとの人間関係が希薄になり孤独感に襲われることが多い、などなどです。これらは米国の心理学者ローレンス・ルシャンがC(Cancer=ガン)型性格として指摘している内容とそのまま一致します。我々が自ら構築した社会環境がガン羅病率の右肩あがりの真因だとみています。

文責:清水 佑三

2007/05/28 1001

性格検査を採用などに使うことへの根本的な疑問がある。

社会的公器である企業が、いかなる理由であれ、個人の最高度のプライバシーである「性格」を、物を検品するがごとくに「検査」することは社会の公序良俗に反するのではというご指摘です。エス・エイチ・エルグループを創始したイギリスのP・サビル博士は、特定のパーソナリティが特定の仕事にとって「向かい風」になったり「追い風」になったりする現象を、統計的な手法を使ってつきとめました。この関係性を知って、企業内の採用、配置等に参考にすれば、その関係性に無知であったときよりも、人と仕事のミスマッチを減らすことができると確信したのです。現在、サビルさんが考案した仕組みを使って採用等を行う多国籍リーディング企業はかなりの数にのぼります。この事実をもって回答としたいと思います。

文責:清水 佑三