人事部長からの質問

2007/07/13 1035

いわゆる残業料ですが、(想定の)割り増し率5割は高すぎませんか?

高すぎると思います。懲罰、というニュアンスを含めないと理解しにくいです。学卒新人を例にとると入社後ある期間は右も左もわからないものです。そういう人たちが試行錯誤して仕事を覚えてゆくわけですが、その過程で成果とつながらない膨大な時間が生まれます。極端に言えば、新弟子の右往左往分がそのまま残業になると思ってよろしい。建前では、それにも時間単価5割を保障しなければならない。個人の自由時間を侵食した見合いだそうです。おかしな法制です。みなさんが自発的に「つけなくなる」のはやむをえないですね。サービス残業ではなくボランティア残業の時代です。

文責:清水 佑三

2007/07/12 1034

トップを決めるのは人事部なのでしょうか。

「銀行の場合、トップ層は人事部が、計画的に養成してゆくという話を銀行の人から聞いたことがあります。目星をつけた数人を将来の役員候補として扱い、歴代のトップが経験した支店を経て本社勤務としてよく観察し、その中からボードメンバーを選ぶという話でした。こういう決め方についてご意見を頂戴できれば」とコメントがありました。入社式で総代としてスピーチをしてもらった人たちの中からボードメンバーを選ぶという話は私も聞いたことがあります。いいか悪いかは別にして、帝王学を早くから授けるやりかたは「ありうる」選択肢だと思います。問題は帝王学の内容です。小泉信三さんが現天皇に授けたような筋の通ったものであれば、私は賛成です。問題は帝王学を授ける歴代トップが優れた人物であるかどうかです。いいたいことを察してください。

文責:清水 佑三

2007/07/11 1033

一つの部署に長くい続ける場合に起きる弊害を教えてください。

質問者の方がご自分で思いつかれるものとして、「特定の人との癒着」「牢名主的対応」「仕事の仕方のワンパターン化」と付記されておられました。おっしゃるとおりだと思います。長く一人の人と同居し続ける場合に起きる弊害と同じですね。お互いにお互いが鬱陶しくなるような「厭き、倦怠感」でしょうか。厭きがくると初心のころのみずみずしい感受性が枯渇してしまって何につけても「流すようになる」のです。一方で上司に対する「改革」「真剣」の演技力がつきますので、上司から見ると「流しているようには見えない」。結果的には業務評価は一定以上のレベルだが、人がよりつかないありふれた旧跡のような存在になります。

文責:清水 佑三

2007/07/10 1032

評価って、特に顕著な場合だけやればよいのでは。

ご指摘のとおりだと思います。人事考課訓練のテキストを覗いてみてください。そんなことできねえよ、といいたくなる生徒手帳的な文言が並びます。できないことをやれ、とよってたかっていっているようなものです。もともと「見分けがつかないものを見分けようとする」から無理が起こるのでしょう。スポーツでいえば、ゲームの帰趨を決めた○、×のプレーは比較的誰の目にも明らかですが、ゲームに出ていない選手を含めて、全選手を序列化せよ、というのは観客にとっても監督にとっても無理です。それをやれ、というのが評価制度です。あきらかに意図そのものに無理がありますね。

文責:清水 佑三

2007/07/09 1031

カウンセリングの効用について「?」を感じる。

確かにカウンセリングって得体の知れないものですね。私は、あるきっかけで20歳代のときに、臨床カウンセリングの父ともいうべきカール・ロジャーズの本を繰り返し読みました。そこで、自己概念が行動を規定する、行動を歪めている(不適切な)自己概念をもつ人については、だれかがそれを補正する役を負わなければならない、というロジャースの信念山脈のようなものに出会いました。これは正しいと直覚しました。じゃあ、そういう役を負える人が現実に存在するのかどうか。そのあたりになると質問者と同じように「?」を感じています。ただ、皆無ではない。(プラトンが描いた)ソクラテスはそれをやっていますね。

文責:清水 佑三