人事部長からの質問

2007/07/27 1044

「採用と浪花節」との関係を述べよ。

テストのような質問ですね。回答します。採用のお仕事を拝見していてよく思うのはお仕事に「浪花節」的なところが入り込みやすい、ということです。浪花節的、というのは過度の人間尊重主義です。冷徹な合理性が求められる場面であるのに、人間尊重で対応をしないといけないと考える。採用業務を担当しておられる方が「浪花節的」になっていて、仕事の成り立ちが見えなくなっているからです。採用業務が三六協定遵守の観点でグレイゾーンとなっている理由の一つだとみます。以上、回答おわり。

文責:清水 佑三

2007/07/26 1043

有名社員が出て困っている。

「ある社員が本を書いて当たってしまった。当社といえば必ずその社員の名前が出る。たいした仕事を社内でしているわけではない。有名社員の扱い方がわかりません。」というとても困った感じのお尋ねです。…その昔、ソニーの小林茂という当時厚木工場長をされていた方が『ソニーは人を生かす』というタイトルの本を書いて話題になったことがあります。とてもよいご本で、読ませていただき、強い感銘を受けました。在籍社員が書いた本でも立派な広告塔になりうる見本です。社員のみなさんが有名になったその方のタレント性をきちんと認め、尊敬することが先なように思います。持て余す、は間違った対応です。

文責:清水 佑三

2007/07/25 1042

“3K企業”のレッテルに効く人事施策は?

「弊社は居酒屋チェーンを展開しており、3K的な職場という見方をされています。仕事を覚える頃になると社員が辞めていきます。社員のモチベーションの低下を防ぐよいメッセージの打ち出し方はありますか?」…あると思いますね。入社3年で居酒屋のオーナーになれる、といえば、せっかちの人でも耐えるでしょう。現実に意欲のある人に対してはその道を開けばよいでしょう。経営がわかる番頭をその人たちにつければ“居つきと業績”は両立できるでしょう。

文責:清水 佑三

2007/07/24 1041

競争性を育てるには?

競争資質をもつ人を選別し、競争環境にぶちこむことしかありません。まず個々人の競争資質の判定ですが、勝ち負けや序列がはっきりつく体育会の部活などに自ら飛び込んだ人が○です。上位校に努力して入った人も○です。次の問題として、競争資質のある人を営業や技術開発のように部署の存在理由が競争そのものである部署に投入するのです。水を得た魚のように競争性が刺激され、成長軌道に乗ってゆくと思います。英語力を身につけるようなイメージでの競争性開発プログラムはありえません。

文責:清水 佑三

2007/07/23 1040

きっちりした人でおもしろい奴を組織的にみつけたい。

「先日の御社のシンポジウムで、某テレビ局さんの方が「バカでも面白ければいい」という言葉を発せられました。同感であります。ただ、正直にいえばバカでは困るので、きっちりした人であるが、同時に面白い人が欲しい。そういう人を組織的に探し出すことって可能でしょうか。」というご質問です。一次選考をきっちりした人基準で絞ります。二次選考をおもしろい人基準でやれば、最後に残った人がその条件を満たします。きっちりした、おもしろい、の二つをうまく「測れるもの」で定義できれば、手順化は可能です。定義づけの部分だけは人的資源評価のプロの支援を得たほうがよいでしょう。

文責:清水 佑三