人事部長からの質問

2007/08/24 1064

自覚のない管理職に気付きを促す方法は?

「部下とのキャリア面談を管理職層にお願いしている。面談での注意点を伝えても、そういう人もいるけど、自分はちがうという顔をして聞いている。こちらが若いせいもあります。お願いしている立場なので直接指摘するのはなかなか難しい。気付きを促すいい方法はありますか?」…キャリア面談を上司と部下の間でやってもらうのは避けたほうがよいです。どういうふうにやってもうまくゆかないように思います。その理由は、上司と部下は、映画で言えば、監督と俳優の関係だからです。お前が下手だから全体がおかしくなっちゃった、と思っている監督がその部下の将来のことについて「しみじみとした対話」ができようはずがない。部下からみても「こんな私に誰がした」と思っているときに、ホンネなど口をついてでないです。

文責:清水 佑三

2007/08/23 1063

営業と採用って似た仕事ですよね。

「営業から人事にきて採用の仕事につきました。営業は大変でしたが楽しい一面もありました。採用をやりはじめてみてすごく営業に似ていると感じています。ただ、漠然とですが、違う部分があるなという気もします。うまく言えないのですが。」というご質問です。採用には三つの仕事要素があります。一つは「練成可能素材」の定義およびその人たちへの広報です。二つ目は玉石混交の応募者の中から「練成可能素材」のみをピックアップして意欲形成する仕事、三つ目は彼らに入社意志を持たせる仕事です。ほとんど全部が営業の仕事要素と重なります。営業の場合、「練成可能素材」とは自社にとってもっともおいしい顧客をいいます。違う部分って何もないように思います。採用を「人を選ぶ仕事」だと思っている人はヤバイです。

文責:清水 佑三

2007/08/22 1062

清水社長の言動が社員のやる気を奮い立たせた具体的事例を。

そうですね。私は社長ですが、実は三つの部署の課長も兼務しています。R&D、ユーザー支援コンサルタント、アセスメント・センターの三つです。それぞれ、違う事例をあげられるように思います。ここでは、ユーザー支援コンサルタントでの例をあげましょう。この部署では、ユーザー支援をするなかでぶつかった対処困難事例を「公開相談会」という形で毎週一度、みなさんに吐きだしてもらっています。そこで、私が当社社員としてそこにいたら、こういうふうに振舞う、というのを限りなく実際に近い形で演舞するのです。汗水たらして、という感じです。還暦を過ぎた(クソ)じじいが、こうやってみたらどうか、と訴えるのです。その内容の適否ではなく、その姿勢になにがしかの力があるのだと思います。その部署の元気は高まっていると思っています。

文責:清水 佑三

2007/08/21 1061

会社が二グループに分かれて対立している。和解の方法はあるだろうか。

「創立して30年が経ち、会社が水と油の二グループに分かれて確執が激しくなってきています。創立の頃から働いている技術職の現幹部層と、対人能力の高い新卒入社の営業の若手層です。確執を解消する何か良い方法はありますか?」そうですね。多くの企業が採っている路線は分社化です。製販分離といいます。分離してそれぞれが大人になった頃あいをみはからって元の鞘におさまる場合もあります。一言でいえば、民族自治の原則を使うのですね。人種が違うことによって起こる問題は、それしか手立てがないと思います。価値観が違うと何を話しても噛みあわないからです。

文責:清水 佑三

2007/08/20 1060

世間は狭いなあと実感したご経験をお聞かせ下さい。

たくさんありすぎて書ききれません。ひとつだけ書きます。小学校1年生のときに学芸会で「お内裏様とお雛様」のお内裏様を(私が)踊りました。お雛様を踊ったかわいい女の子は2年生に進級するとどこかに転校しちゃいました。それから、その子のことがとても気になって、(今はもうない)NHKの「尋ね人」の時間で読み上げてもらおうかと思ったりしました。年を経て、番町のクラブのオーナーの女性と懇意になって、ゴルフなどで遊んでもらったりしていたのですが、あるとき、何かの拍子に彼女が「私の一番の思い出は小学校のときの学芸会」という話をしたのです。「お雛様を踊ったのよお」というのです。それって横浜の金沢小学校ですか?と聞いて「そうよ」といわれ、二人は(それぞれの親を含めて)ほんとうに驚きあったことでした。

文責:清水 佑三