人事部長からの質問

2007/09/21 1083

ダメ上司(書類を投げる、会議で独演会、思いつきだけ)への対応を教えてください。

ダメな上司への対応策は突き詰めると一つだけになります。面従腹背です。上司からの間違った指示については、その場では元気な声でイエッサーというのです。間違えてイエッサ、イエッサ、イエッサホイサッサなどといわないように。上司はそうしてくれない部下ばかりに囲まれていますからとても喜びます。上司の場を離れたら、(上司の指示はきれいさっぱり忘れて)正しい仕事を正しいやりかたでやって、堂々の結果を出し、上司に成果を報告にゆくのです。自分の思いつきの指示などすっかり飛んでいるので、そうだろう、そうだろう、俺のいうとおりやりゃこうなるんだよなあ、とか何とかいって上機嫌になります。会議での長広告は真剣な目をしたまま眠る技術を開発すればよいです。

文責:清水 佑三

2007/09/20 1082

従業員満足度を高めると定着率は上がりますか?

定着率が高い組織は、例外なく「働くものにとっておいしい」組織です。その代表例が社保庁です。組合が、そういう(働かなくても食える)条件をかちとったことによります。したがって、社保庁的な組織づくりをこころがければ定着率はあがってゆきます。それに比例して“Going Concern”(存続危機)の問題が発生します。他方、利益率や成長率が(社員構成に変化がないのに)高い会社は、従業員満足度調査をやると、必ずしも高い得点がでません。社員が疲れきっていることが多いです。競争馬でいえば、ムチが当たりっぱなしになっているからです。さて、どちらがよいか。お考えください。

文責:清水 佑三

2007/09/19 1081

適性テスト等のデータは価値があるのですか?

「コンピテンシーを定義した上で、アセスメントで得た個々の社員のコンピテンシー得点をもつことは、何となく科学的、客観的なように思える。異動等にも使えそうに思える。でも、本当のところそれってどれほどの価値があるものなんですか?」…人間ドックで得られた検査データってどういう価値がありますか、と同じような質問だと思います。いくつかの検査項目での異常値が同時出現した場合、ある病変であるという確率が非常に高い、という事実が一方に存在しない限り、何の意味もありません。この(データを活用するための)知識をもつ営みを“Validation Study”と呼ぶのですが、“Validation Study”をやらない限り、データの価値はない、と思ってください。

文責:清水 佑三

2007/09/18 1080

安倍総理の辞任の仕方についてどう思いますか?

日本の民主主義やナショナリズムの変化等を研究している学究に、ケビン・ドークという人がいます。アメリカのジョージタウン大学の東アジア言語文化学部の教授です。この人が9月16日(日)の産経のインタビュー記事の中で「逆説的ではあるが、安倍氏の辞任表明の時期や方法は、それ自体が業績となりうると思う。いろいろな批判が出ているが、国民投票法など誰もやれないことを達成し、さっと辞任する動き自体が今後の政治指導者の模範例になる。」という印象的なコメントを寄せています。私の見方もそれに近いですね。

文責:清水 佑三