人事部長からの質問

2003/05/08 10

社員の顧客対応が気になります。改善は担当部署の仕事でしょうか?

そうです。現場の仕事であって、人事部の仕事ではないです。顧客対応のよしあしが会社のブランドイメージの形成に致命的な影響を与える(たとえば広報などの)部署であれば、現場の責任者は、命がけで自分の部署の顧客対応能力のレベルアップを図るべきです。この場合の顧客とは、マスコミの若い記者になるでしょう。彼らは総じて無知であり生意気です。どうしても腹をたててしまうのですが、結果的に(腹をたてても)悪く書かれるだけで何ひとつ得はありません。それでは人事部の仕事は何かですが、会社全体の人的資源の調達と最適運用につきます。トヨタさんの看板方式と同じです。必要な時に、必要なヒトが、必要なコストで、必要なだけ「配置」されている状態をつねに保つようにインフラをつくる、が人事部(長)のミッションです。

文責:清水 佑三

2003/05/07 9

マスコミ等への露出が多い人事部長についていかがお考えですか?

マスコミも商売であり、商売になる人しか相手にしないという原則があります。会社の知名度だけではマスコミには登場できないものです。そういう視点で考えると、マスコミに登場する、を目標にして日々、研鑚するのは理にかなっています。本を出すなどは、この不況でまず新人の登場は無理です。会社が一定数買い上げる「自費出版的なもの」は可能ですが、こうした本は、本屋さんの店頭にはまず並びません。マスコミへの露出は一つの才能の証明であり、挑戦に値いする、と思います。ただ、無知を天下に晒す度胸がないとできません。勉強して、と考えると無限の事前の準備が必要でいつまでたってもすすみません。テレビとなるともっとタレント性を要求されます。

文責:清水 佑三

2003/05/06 8

社員の残業を自主的に減らさせる方法はありますか?

ないです。創造的な仕事は、時間と成果との間にリニア(比例的)な関係がありません。アインシュタインの特殊相対理論に関するいくつかの論文は、彼がベルンの特許局に勤めていた、数年間に集中して書かれています。空前絶後の成果物ですが、そこに投下された時間は、それほどでもなかったと思われます。会社が社員に創造的であれ、というときは、成果の質を求めているのであって、それを得るための時間の多寡を問題にするのは矛盾です。管理者をつけて、すべてのプロセス管理が(会社が責任をもって)できる場合のみ所定労働時間管理が意味をもちます。工場のラインでの作業や、店頭における接客業務などはそれに馴染むと思いますが、それ以外の多くの仕事については残業を問題にしてはいけません。労働基準監督署の人と戦うのが労務部門の人の最大の仕事であります。

文責:清水 佑三

2003/05/02 7

外国人トップは、日本人スタッフを見る眼がないのでしょうか?

外国人をトップに迎えている外資系は、出来の悪い日本人の支配人を置く傾向性が強いですね。人格的にお話しにならない人をよく重用しています。その日本人とお会いしていてよくまあこのレベルの人がこういう地位にいるものだと感心します。先日も、そういう経験をしました。普通の会話ができないのですね。分析的頭脳が異常発達してしまって、人情がしからびてしまっているのです。こういう言い方をしたら相手がどう感じるかがわからないので、とてつもなく「粗野な言動」をとっているのですが、誰も指摘しないからそれでいいと思っている。死ねっていう思いがします。外国語ができる人を重用したがる外国人トップの問題でしょうね。もともと優れた日本人は外国語ができないのです。

文責:清水 佑三

2003/05/01 6

懲りもせずミスを起こす社員がいます。どのように処遇するべきか。

プロ野球の世界で例をとれば、戦力外通知を出して終わりです。懲りもせずにミスを犯して損害を多方面に与えて、なお、会社がその人を放置するとしたら、会社がバカなのです。ただ、一つだけ指摘しておきたいのは、器用、不器用という問題です。人には、生まれつきの器用、不器用があります。野球をやらせれば天下一品だが、そろばんをやらせると懲りもせずミスをする、ということは、よくあります。ご指摘の人がその人にあった仕事についた場合、ミスがなくなり、きちんとした仕事ができるのかどうか、その確かめは会社として是非やってみてください。定期異動の際に、部署がえを行い、その人が希望する部署にゆかせるのです。その上で問題意識をもって彼(女)の仕事をよくみればよいでしょう。同じようにミスをするのであれば、戦力外通知をしても問題はありません。

文責:清水 佑三