人事部長からの質問

「タクシーをご利用される機会が多いことと思います。清水さんにとって、この人当たり、と思った経験を教えてください。」…とても面白い話をしてくれたドライバーの方がおられました。何かの話で、その方の生家が田中角栄さんの生家と隣近所で、その土地の風習のような話題になりました。その土地では病気になると生きた青ガエルを何匹もとってきて、生のまま飲み込むのだそうです。万病に効く、と力をこめていっておられました。最初は気持ち悪いがやってみなさい。ほんとに凄いから、というのです。ふざけた感じはなく、それから一度やってみたいと思い思いして今に至っています。印象に残る運転手さんでした。

文責：清水　佑三

「（社外で）会社の悪口を言いまくる社員がおり、それがじわじわと他の社員にも（マイナスの）影響を与えはじめています。会社としての対処法を教えてください。」…就業規則に、会社の信用を貶める行為について懲戒規定を設けていると思います。具体的な事実を（証拠を用意した上で）指摘し、懲戒処分にすることがよいと思います。こうした言動を放置すると善意の多くの社員の士気を殺ぎます。会社に弱みがあるのだ、と受け止められるのです。懲戒処分に対して、その人がテロに出たら、徹底して法律によって対峙するしかないです。そういう素質をもった人を同志にしてはいけないのです。いい加減な採用のツケがまわったと私はみます。

文責：清水　佑三

「世の中には色々なタイプの人がいますよね。簡便で使いやすい分類箱が欲しいです。私の場合、初めて人に会ったとき、例えば、知性と人柄といったような軸を作って、その人がどこに位置するか、と考えたりします。清水さんの分類箱がもしあれば教えてください。」…私の場合、「まとも」「バカ」「狂気」の三分類法をもってあたっています。「まとも」というのは、文字どおり、話せば分かり合える人です。「バカ」は話しても理解が得られない人。「狂気」は、近づけば近づくほど危険なことになる人です。「バカ」と「狂気」を避けて、「まとも」だと思う人しか交友関係をもちたくないと思ってきました。その結果、私の友達はいつになってもゼロです。こういう分類箱はよくないと、いまになって後悔しているところです。

文責：清水　佑三

プロ野球の監督のおもしろみと通じると思います。投手交代の失敗で負けたような時、記者さんたちのぶら下がりに丁寧に応じないといけない。自分の采配ミスを自分で認めないといけないわけです。そういう時に、どういう表現を用意するか。ごめんなさい私がバカでした、でもよくないですし、自分の采配ミスを棚にあげて他の理由をあげるのもよくないです。聞いている記者さんたちが、監督の話をきいて、これはおもしろい、書けるというような話をしないといけない。それって骨を切らして命を絶つ、喧嘩の極意に通じることですよね。社長業は朝から晩までその仕事の連続なのです。メッチャおもしろい、ですね。

文責：清水　佑三

「私の経験則に、上司に求めることは何か？と聞いて、たくさんのことをあげる人は成長が難しいというのがあります。逆に、自分はこういう理由でこうしたい、それでよいでしょうか、と言ってくる人は成長するように思います。いかが思われますか？」…言い切る自信がないのですが、入社にあたって『研修プログラム』について多く尋ねる人って、あまり先が豊かという印象を受けないのは事実です。犬が私を調教してください、と必死に言っているような気がしてしまうのです。他方、何でも自分の考えでやろうとするのも怖いですね。ちょうど中間くらいがよい、というのが私の経験則です。

文責：清水　佑三