人事部長からの質問
清水さんは映画がお好きと伺ったのですが、どのようなジャンルのものをよくご覧になるのですか？
映画って旅ですよね。旅と同じ興奮をもたらしてくれる気がします。アイルランドのIRAの戦士たちの物語であれば、そのときその場所にいた気にさせてくれるのが嬉しいです。タイムアンドプレーススリップが映画の魅力ですよね。そう思って映画を見ると、つまらない映画ってまずないのです。ご質問の、私がよく見る映画のジャンルですが、外国映画、それも歴史もの、が多いです。『オペラ座の怪人』などがその例です。ただ、お詫びしたいのですが、映画を見るといってももっぱらビデオ、放送を媒介にしたものです。ほんものの映画ファンに恐縮して書いています。
文責：清水 佑三
履歴書に顔写真を貼らせるのはどういう意味があるのでしょうか？
身分証明書の顔写真と同じく本人確認の効用は間違いなくあると思います。もう一つありうる話として接客業のような「対人好感度」が重要な仕事の場合、顔写真の印象をもって面接にあげる順序を決める、もある気がします。顔写真の印象がよい人を早く呼んで、（会ってみてよければ）その場で内定だしをしてしまう、などが想像できます。モデルさんのオーディションに出す事前資料と同じ論理ですね。事務や技術といったお仕事の場合、顔写真でどうこうということはありえないので、確かに無駄かもしれません。私が個人的に（履歴書の顔写真で）重宝しているのは、面接後の品評会のときに、顔写真があるとその人のことを正しく思いだせる、です。そのためだけに使っていると言ってもよいです。
文責：清水 佑三
清水さんは難しい話をわかりやすく話される。どこでそのワザを磨いたのか。
お得意様からのたってのご質問なので、回答させて戴きます。私自身は難しい話をわかりやすく話をするのが苦手だと思っていますが、世間を眺めるとそれが上手な人が結構たくさんおられます。具体的な例として、今回の政変で官房長官を下ろされた与謝野馨さんなどが思い浮かびます。彼の明晰な説明の背後に「碁」で培ったセンスがあるのではないかとよく考えます。「碁」ではつねに全体と部分をいったりきたりさせながら思考をめぐらします。全体と部分をたえず往復させて考える習性をもつと、何かを説明するときに、全体の構造のようなものを先に説明するようになるのです。聞く人は、この人の言うことはよくわかる、と思うのではないでしょうか。
文責：清水 佑三
人柄は非常に魅力的、but、知的能力テストの得点が低すぎる。扱いに苦慮している。
「中途採用での悩みです。これまでの職歴も満足できますし、会ってみての人柄も非常に魅力的です。ただ、適性テストの言語、計数のテストの得点が低すぎる印象があります。私個人は採りたいのですが、どういう言い方をして上を説得すればいいでしょう。」…会った印象がよく、しかも（同業他社での）職歴が輝いているとしたら、採用すべきです。上司への説得の仕方ですが、適性テストの得点が低すぎるので迷っている、異例ですが会っていただけないでしょうか、と切り出すとよいでしょうか。どうして迷っているのか、という質問にはありのままをお話しされるとよいです。（上司の方が）世間を広く深く渡った人であれば、会わずに採りなさいといいます。
文責：清水 佑三