人事部長からの質問

2007/10/22 1102

優秀な社員の中に上司に不満を持っている人がいる。対応法を教えてください。

「社員のサーベイを行ったところ、自由記述で上司に対する不満が続出しました。上司批判組の中に何人か将来を期待する優秀な社員が混じっていました。彼らの上司を一人ひとりあたったのですが、全員が書かれているほど酷い人ではなく、当社の平均値の課長さんたちです。こういう上司不満組は、いずれ辞めてしまうものですか?」…優秀な人の特徴の一つに“批判力が高い”があります。普通であれば見逃す矛盾を捉えるアンテナをもっていて、上司の言動に対してもそのアンテナが働いてしまうのです。そういう人はそれとは別に“上司に依存しない”という特徴を併せもっています。したがって、自由記述での批判があっても退職という方向には普通は進まないものです。彼らが退職するのは、サーチ(スカウト)会社からおいしい声がかかった場合です。

文責:清水 佑三

2007/10/19 1101

清水さんのストレス対処法は何ですか?

調和道を提唱した藤田霊斎先生から発している「丹田呼吸法」というのに凝っています。その第一歩は「三呼一吸法」という呼吸法です。ハッハッハァー、ハッハッハァー、ハッハッハァーと息を三回吐くだけのことです。反動で一回強く息を吸います。これが「三呼一吸法」です。これを十二回続けてやるのです。心をこめてハッハッハァーと息を吐き出すと、自然に胸部の下のくぼんだところ(鳩尾)が収縮し、同時に横隔膜が収縮します。これで臓器内の静脈血が心臓へ一気に絞り上げられるのです。その静脈血はすぐ肺にまわり、静脈血に含まれる炭酸ガスがハッハッハァーで一気に体外に排出されるのです。この呼吸法を意識して一日に何回かやっています。酸欠状態にある身体が息を吹き返すように感じます。

文責:清水 佑三

2007/10/18 1100

強い組織とよく言いますが、具体的にどういう組織が強いのですか。

「私はメンバーそれぞれが自分の持ち味を発揮して、その持ち味が相互に補完しあってチームとして優れた成果を生むとき、それが最強の組織であると思っています。その解釈でいいですか?」…私の考える強い組織とは、戦いに勝ち続けた組織です。一戦一戦どういう理由で勝ったか、分析してもよくわからない。ただ、〆てみたら勝ち続けていた組織です。V9時代の巨人、六連覇した新日鉄釜石(ラグビー)などが念頭にあります。企業でいえば、最近のトヨタさんはその範疇に入ると思いますね。ご指摘のような表現は耳に快いですが、私の関心とは少し違います。

文責:清水 佑三

2007/10/17 1099

海外への異動を伴う総合職採用で女性を増やすことの是非について

「いつも率直に回答されておられるので、こちらも率直にお尋ねします。トップの指示で今年から総合職採用で女性の数を一気に増やしました。当社の場合、ある年齢まで海外勤務が義務づけられており、女性の場合、海外業務を終えて、帰国する頃には結婚適齢期を過ぎてしまいます。女性の幸せを享受するのが難しい状況になってしまいます。自分としては女性を採用していくことに罪悪感を感じています。」…滅多にお目にかかれなくなった種類の質問だと思います。回答する意欲が湧きます。私の意見は、女性の幸せの中に、結婚しない幸せも含まれるので、お気になさらないでください、というものです。まったく同じことが男性についてもいえます。男女半々の社会で総合職採用が一方の性に偏るのはよろしくないです。トップの指示を忠実に励行してください。

文責:清水 佑三

2007/10/16 1098

社員数が300人を超えるタイミングで人事がしておかなければならない事はありますか?

「現在社員数150名のオフィス・ファシリテータの会社です。この業界は伸びており、あと3年たてば当社も社員数が300人を超える見通しです。何となく今の人事の体制で不安を感じます。今から手を打っておいたほうがよいことがあればご教示ください。」…社員数が50名近辺をいったり来たりしている会社の社長に何がわかるというのでしょうか。何もわかりません。それがホンネですが、一つだけご注意しておきたいことがあります。組織がある規模以上になると、汗水たらして働く現場の声が、会社の意思決定者に届きにくくなることです。流通機構に喩えると、一次卸し、二次卸しが入ってきて、様々な機能を担うようになり、一部の卸し事業者に機能不全が起こり始めるのです。管理職層のバラツキ問題ですね。この層のレベルに絶えず注意を払っていてください。ダメ管理職の早期発見、早期対応の仕組みを作っておいてください。

文責:清水 佑三