人事部長からの質問
清水さんの年収は?
日刊ゲンダイに「社長の私生活」という好きなコーナーがあって(東スポと一緒に)毎日、愛読しています。特に、「年収」「所持金」という欄に興味があって、いつもそこに目がゆきます。年収の欄は、「勘弁してください」「ご想像にお任せします」が多いのですが、ときどき大体の額をいう人がいて、おやと思いました。平成4年3月に(前職のときの)上司がこの欄に登場して「公表していませんのでご勘弁願います」とあって笑えました。ただ、所持金7〜8万円とあって多いのにびっくりしました。当時も今も私の財布には1万円も入っていないからです。日刊ゲンダイさんが取材希望がきたら(愛読のお礼に)正直にいうかもしれませんね。
文責:清水 佑三
感性を磨く具体的な方法は?
自分の感性が豊かで優れているというような幻想は私にはまったくありません。極端な感性音痴だといつも思って生きています。それとは別に、感性はとても大事だと子供のころから思ってきたので、その点には注意しながら生きてきました。一番大切だと思ったのは配偶者の選択です。配偶者として感性豊かな人をもつのともたないのとでは雲泥の違いがあります。小林秀雄さんも「自分の感性を本当の意味で育ててくれたのは家内だ」とどこかに書いていました。そうなのですね。感性豊かな人と一緒に暮らしていると、遠赤外線の暖房機の側にいるような気がして、心が芯から温かくなるのです。
文責:清水 佑三
足利銀行・破綻処理の清水的見方は?
私の情報源は「東スポ」をはじめとする夕刊紙群であります。そういう前提で読んでください。金融庁の今回の破綻処理に向けての行動には「強い意志」が感じられました。強い意志とは「メッセージ」を誰かに向けて送った、という意味です。直接的にいえば、米国政権に「ここまでやっております」というメッセージを小泉政権が送ったのです。北朝鮮の銀行と直接、または第三国経由でコルレス取引(海外銀行との為替業務代行契約)を行っていた代表的な銀行が足利銀行だったからです。テロ国家への送金問題に、日本はいよいよ着手しました、というメッセージを、どうしても今、米国政権に送る必要があった、と私は解します。統治者の行動は、こうした政治力学を背後に必ずもつものであります。
文責:清水 佑三
人事部長にも英語力が必要ですか。
(英国の)外資系の社長でも英語ができないで16年も勤まるのです。純ジャパ(Japanese)の会社の人事部長だったら英語力ごときで怖がることはまったくありません。ところで、いつも気になるのは、英語ができるとかできないというときの意味あいです。英語ペラペラというような汚い日本語は、「海は割け、山は褪せなむ世」になっても絶対に使ってはいけません。その昔、ロシアの友、クラハマリヨフは、数少ない日本語の語彙を使って、正確にかつ深く自分の考えを私に伝えることができました。その時に、語彙の数ではないと思いました。たった12色の色鉛筆でも複雑な森羅万象の色を表現できるのです。大事なのは気合です。
文責:清水 佑三
中間管理職はなくなるとみてよいか?
地方の小規模小売店は大規模店舗、100円ショップに加えて「楽天」の影響で消えかけています。物流コストを含めて考えても楽天ショップで買うほうが(地方の小売店で買うよりも)安くて早く希望する品物を手にできるのです。近い将来、日々、必要な食料飲料、医薬、化粧品を扱う小売店とコンビニをのぞき、パパママショップは消えてしまうと私はみています。中間管理職についても、社会の価値観の
- 多様化
- スピード化
- コストパフォーマンス追求
- コピー文明の氾濫
という4つの理由で消滅すると私はみています。その時の中間管理職の定義ですが実質的な職務権限を一切もたないが年収が高いグループを指します。
文責:清水 佑三