人事部長からの質問

トランプ占いに秘密があると思います。彼は、（奥さんの回想記によれば）、大事な人事の場面になると、ひとり部屋にこもってトランプ占いをしていたそうです。普通の人の普通の人事は、基本的に経験主義をとりますので、過去の事実が語るところの範囲を超えられません。新聞辞令を追認せざるを得ないのです。ところが、トランプ占いは水平思考そのものですから奇想天外な人事がありえます。どうしてこういう案なのか周囲にはわからない奇抜な人事がありうるのです。さらによいことは、占いは「ご神託」ですから、神様の権威を背負うことができます。強い自信をもって抵抗勢力を説き伏せられるのです。

文責：清水　佑三

医師を篩（ふるい）にかけて基準を満たす医師だけを責任をもって紹介するというのが名医ネットの仕組みです。「ティーペック」が評判になっていますが、もっともっと出てきてよいサービスです。また人材紹介、人材斡旋を事業とする企業体も、「ティーペック」の考え方を学ぶとよいでしょう。求職、求人の登録を多く集めればよいという考え方は間違っています。量は質を規定できないのです。さて、ティーペックによれば、紹介に値いすると考える条件は、

1. 自分の家族を預けられると思う
2. 高い専門性がある
3. 患者の立場にたてる人

だそうです。
1.と3.がポイントだと思います。自分の家族を預けられないドクターが多すぎるから名医ネットが登場するのです。医師もまた護送船団方式によって既得権を守られている「聖域」です。私の経験でも「自分の診断結果を患者（または家族）がわかるように説明できない」アホ医師がたくさんいます。自分もまたこうした名社長ネットで退場勧告されるダメ社長かもしれません。

文責：清水　佑三

実際にそれを行った経験に基づくコメントです。避けた方がよい、と考えます。その理由は、役員の責任と権限は、部課長のそれと比べると表に出しにくいところがあるからです。よい例かどうかわかりませんが、会社存続のためには従業員を40％カットしないといけない、という経営課題があるとします。それを遅滞なく実行する責任が役員にあります。従業員受けはしない役回りです。こうした従業員サイドにとって不利益な統治行動を、（役員として）とらざるをえない場合、360度評価のデータはその役員に対して×になります。株主にとって○な行動が従業員にとって×の行動であることが往々にしてあるゆえに、役員への360度評価はやめるべきだと今は考えています。政治と経営の違いが端的にあらわれる部分です。

文責：清水　佑三

相手の意向や都合をまったく無視して一方的に人をはめ込み、しかもその人が何の働きもしてくれない場合、はめ込まれた方は愚痴をいいたくなるのは人情です。しかし、護送船団方式によって、経営の安定が保障され、その見返りとして天下りがあるのだとしたら、批判する方がおかしいと思います。メインバンクが融資先の経営を支援するために適切な人を送り込む、親会社が優秀な経営能力をもつ人を、経営に苦しんでいる子会社に送り込む、は「天下り」の範疇には入りません。江戸幕府が天領といわれた自分の直轄地に送った郡代といわれる民政官もまた「天下り」ではありません。いずれも必要性をもった上での権利行使であり批判の対象にはなりません。送り込んだ人の失政問題は、生え抜きで統治者となった人の失政問題と同じ次元の問題であり、結果論です。

文責：清水　佑三

ごく簡単に「行動的な特徴」を列挙します。思い当たる人が周囲におられるかもしれません。

• 知能が高く、人との対応がうまい。
• 平気でウソをつくがウソという自覚を持たない。
• わがままを通そうとするがわがままという自覚がない。
• 思いどおりにならないと自分を被害者として位置づけ、加害者糾弾運動を展開する。
• 批判や糾弾の仕方が常軌を逸しており「羞恥心」「抑制」といったものがまったくない。
• 結果的にその人のために「トラウマ（精神的外傷）」をこうむる人が続出して周囲が大混乱する。

文責：清水　佑三