人事部長からの質問

2004/02/02 190

青色LED特許裁判についてどう思うか?

私は人相学をやります。人相学的にみて、どうしても中村修二という人が気になってしかたがない。田中耕一さんとはまったく違う何かを感じてしまうのです。人相学を根拠にものをいうのですから、眉唾で聞いてほしい。マスコミは地裁判決で出た判断に高揚していますが、私は最高裁までいった場合の結果はまったくわからないとみています。大逆転もありうる。「一個人の欲得のためではなく、日本の研究者や日本の将来のために訴訟を提起している」こういうことをマスコミに向かってしらっと言う人を私は信用しない。裁判の過程で発言がころころ変わる原告が全面勝訴するのはまことにもって希代だ。『白昼の死角』を書いた高木彬光や『悪いやつら』を書いた松本清張が生きていたら彼をモデルに面白い小説を書くに違いない。それが今の時点での正直な感想です。

文責:清水 佑三

2004/01/30 189

全社で「水平思考力」のレベルをあげたい。

伊藤園さんの真似をされたらいかがでしょうか。伊藤園おーいお茶 新俳句大賞というのを思いだしてください。缶のまわりのラベルの紙に「重役会、肩書きとれば老人会」といった俳句とも川柳ともつかない入賞句がいくつか書いてあるあれです。毎月1回、メルマガ社内報で募集し、優秀作提出者に相当過激な金一封をおくるのです。1回受賞したら、応募資格がなくなる仕組みにすれば、過激な金一封を狙って、たくさんの人が水平思考演習に参加できます。季語を入れて芸術性を競う「俳句」よりは「川柳」がよいでしょう。川柳要件である(1)わかりやすい口語体(2)簡潔・滑稽・機智・風刺に富んだ表現力(3)自分を笑う自己客観化能力等がポイントです。特に(2)、(3)が「水平思考力」そのものです。社員全員が金一封を手にしたときに、間違いなくご質問にあるレベルアップは図れていると思います。即興で「おもしろくて、じぃーんとする」川柳が作れるようになれば免許皆伝です。

文責:清水 佑三

2004/01/29 188

労働基準監督署、職安等との対応の要諦は?

労働基準監督署は国家権力そのもので、警察と同じ「司法」の領域に属します。職安は行政府の下部組織です。本質がまったく異なります。どちらの対応を優先するかといえば間違いなく労働基準監督署です。その理由は、そこが「お白洲」だからであります。罪があると疑われている者を取り調べる(礫が敷いてある)場所です。会社の名誉、看板が裁きの対象になってしまうのです。たとえば36協定違反で駆け込みがあれば受理して取り調べる、が労働基準監督署の責務であり、取り調べられた方はありのままに事実を(誠意をもって)答えるしか対応のしようがありません。一方、職安は違います。司法まがいの指導をしますが、あらゆる行政機能と同じで、社会が小さな政府に向かった場合、明日はなくなる存在の一つです。「うたかた」のようにはかない存在なので、適当な対応でよろしい。

文責:清水 佑三

2004/01/28 187

女性管理職の割合を高める具体策を。

女性管理職の割合を高める具体策ですが、二つの角度があるとみています。「管理職要件」の改変がA案です。「候補者要件」の改変がB案です。それぞれ説明しましょう。まずA案です。HSBC(香港上海銀行)の日本支社人事の方から前に伺った話ですが、HSBCでは女性管理職の割合と、女性行員の割合は、グローバルで見た場合、ほぼ同じだそうです。その理由は「管理職に求めるものを明確にして、公平なアセスメントをしているから」だとおっしゃっておられました。大学入試を想定するとよくわかります。公平なアセスメントをかけると女性の割合はどんどんあがるのです。次にB案です。女性社員に「会社の上位者になることで得られる幸福」を徹底的に刷り込むのです。単純化すれば「組織の力を動員して自分の考えを実現できる」が上位者に許された特権であり幸福です。そういう欲望を隠し持っている女性はたくさんいます。その人たちを意欲形成して(管理職)候補者群に育てればよいのです。この二つを同時並行させるとご指摘の割合が社員全体の男女比に近づいてゆきます。

文責:清水 佑三

2004/01/27 186

SCM(supply chain management)を人事面に応用したい。

よいご質問ですね。SCMは、(長嶋茂雄さんの表現を借りると)ひとつのいわゆるコンピュータを活用するシステムなのですね。資材、製造部品、完成品、在庫、搬入といった物の流れを、オンラインで情報として把握した上で、流れのスムーズさの最大化を目標にして効率性を追求する問題意識をいいます。流れとしてみてゆくと、高速道路と同じで渋滞箇所が早期発見でき、当然、早期対応ができます。すべての車両の動きが俯瞰できた上で、最適化が自動制御できる新幹線の中央制御室のイメージでしょうか。人についていえば、応募→採用→配置→戦力化→転用(登用)→退職までの個々人の流れを、オンラインで情報として把握した上で、流れのスムーズさという視点で個々人に対する「適材適所」を追求する考え方を指すことになります。生身の人が相手だと「そうは問屋がおろさない」ことになるかもしれません。

文責:清水 佑三