人事部長からの質問

2004/03/30 230

人事部の適正サイズは?

人事部の職掌を大別すると(1)人的資源の調達と運用に関する政策立案(2)賃金、社会保険、年金等の事務(3)雇用している人に関する福祉の3つになります。(1)については有能な人が1人いて、少数の秘書チームがつけばよろしい。(2)も外注可能です。問題は(3)です。福祉の「福」も「祉」も大和言葉の「さいわい、しあわせ」を意味する言葉です。雇用している人の「さいわいやしあわせ」をどこまで真剣に考えるかによって後者機能に従事する人のサイズはかわります。国家レベルでいえば、介護に従事する人の数が「介護に対する国家の姿勢」によって根本的に規定されるのと同じです。雇用した人に対してできるだけの「しあわせ」支援をしたいという姿勢をもつ場合、(3)の福祉部門のサイズは大きくなると思います。全経費に占める(3)の割合を計算すると、その会社の「家族主義」の度合いがわかります。

文責:清水 佑三

2004/03/29 229

占いの効用は?

判断を神意に委ねることを「占う」といいます。(佐藤栄作さんの)トランプ占いなどが典型でしょうか。高校時代から、おりにふれて「占い」について考えてきました。何を考えてきたか。偶然がどうしても偶然と思えないときがある、一体その背後に何があるのか、に尽きます。ところで、首相の任期という問題を考えてみましょう。今の小泉政権は佐藤栄作、吉田茂、中曽根康弘、池田勇人、岸信介に次いで在位日数が長くなっています。長期化を支えたものとして、「靖国」「訪朝」「追米」「派兵」という伸(の)るか反るかの小泉決断がありました。ここからは想像ですが、小泉さんは、1人で部屋にこもり音楽占いをやっていたのです。音楽の向こうから「神意」が立ち上がってやってきます。立場が高く重くなるほどに(その人において)占いの効用は増すと考えられます。

文責:清水 佑三

2004/03/26 228

貢献してきた年長者を成果主義を理由に斬って棄ててよいのか?

明治政府が医師免許を与える基準に「西洋医学」をもってきたために、鍼灸などの領域で優れた医療を行ってきた人たちが一転して、社会の下風に立って身を潜めた時代がありました。同じように、間接能力に優れて会社のよき風土づくりに功あった人が、直接能力乏しきがゆえに、成果主義という大義のもとで斬って棄てられようとしているのが今の時代の風潮です。ちなみに間接能力の代表格は「愛嬌」「面倒み」「縁の下の力もち」などであります。斬って棄ててよいか、と尋ねられればノーといいます。

文責:清水 佑三

2004/03/25 227

サービス残業を強要されている。会社を訴えるべきか?

(人事部長がこのような相談を親しい若い社員から受けた、という想定でお答えいたします)。
裁量労働という言葉があります。「専門業務型」、「企画業務型」の二つの裁量労働が法律で定義されています。平たくいえば、弁護士のような専門性の高い仕事が前者であり、政策立案や企画のような時間と所産が必ずしも対応しない仕事が後者です。こうした仕事に従事する場合、みなし労働時間制度という考え方が(双方合意を前提に)認められています。労使合意のみなし労働時間制度の適用ではなく、明らかにサービス残業の強要であると考えられる場合、まず上司に話をすべきです。会社を訴える、とか訴えないは最後の最後の手段だと思います。

文責:清水 佑三

2004/03/24 226

関連質問です。何故、「強くてやさしい」をとりあげたのか?

ハードボイルド作家のレイモンド・チャンドラーは『長いお別れ』の中で、「男は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない」、とフィリップ・マーロウ探偵に言わせています。企業においても、「強く」ないと存続そのものが難しい時代に入りました。強いだけではダメで、さらに「篤い人情」のようなものがないとバイト、社員をはじめ株主、顧客もついてきません。強くてやさしいの2語をもって生きる価値を要約したチャンドラーに敬意を表して、「強くてやさしい企業文化の創造」の旗を掲げました。

文責:清水 佑三