人事部長からの質問

2004/04/13 240

「境界型人格障害者」の定義は?

精神科医の遠山高史さんの言葉を借りれば「高い衝動性を有し、自分の存在のありようについて自信を持てず、見捨てられることに対して著しい過敏性をもつものたち」であります。このタイプの人は、(遠山先生によれば)わずかな無視にも傷つき、切れたように暴力的になることが多い、のです。周囲を困らせ、悩ませ、有効な対処法のない厄介な人たちです。人間関係における破滅主義者と私は呼びます。暴れて騒いで困らせることによって「構って欲しい」気持ちを訴えているのだと思います。携帯電話やパソコンと向き合って匿名で「中傷ウィルス」をまきまくる姿が彷彿してきます。この人たちの攻撃にあって部下をどなりまくる企業のトップもまた同病だと思います。

文責:清水 佑三

2004/04/12 239

何にでもうるさく口をだす部長への適切な対処法を。

うるさく感じる、は「ピントがあっていない」からです。一事が万事で、その人の部長としての行動すべてでピントがあっていない可能性があります。こういうタイプの検出と矯正に有効なのが360度評価法です。ものの見事に(ピンボケ行動が)周囲から指摘されるはずです。そのデータを本人にフィードバックし、改善を見守るとよいでしょう。待っても待っても行動変容が見られない場合、人事部長として(最終的な)権限行使に踏み切るべきです。

文責:清水 佑三

2004/04/09 238

謝罪会見の仕方を。

良寛戒語を紹介しておきます。手まりつきつつ、で有名な良寛さんが残した言葉だといわれています。以下はすべて「ダメ」の見本です。・言葉の多き・口のはやき・人の言いきらぬうちものいう・わがことを強いて言い聞かさんとする・おのが意地をいい通す・あやまちを飾る・ひきごとの多き・好んで唐言葉を使う・たやすく約束する・返らぬことをくどくど口説く・すかしてなぐさむ・憎き心をもちて人を叱る。「ヨイ」見本として、すべて言葉は惜しみ惜しみ言うべし、といっています。参考になりますか?

文責:清水 佑三

2004/04/08 237

会議をまとめるのがうまい人とは?

加藤寛千葉商科大学長(前政府税調会長)は、利害が錯綜した税調の会議をとりまとめるのがうまく、そこに居合わせた人はカミワザのようだった、と形容していました。秘密はガスの抜きかたのうまさだったといわれています。強い不満をもつ人に多くの時間を与え、存分にとことんまで訴えをきく、という手法です。その不満のおおもとにある価値観については絶対に否定しなかったそうです。加藤寛議長は言い分をよく聴いて理解してくれたと(発言者は)思ったそうです。また、長引く会議の幕のひきかたがうまく、そのあたりもまたカミワザだったそうです。参考になりますでしょうか。

文責:清水 佑三

2004/04/07 236

パリーグの新プレーオフ制度について。

バカみたいと思っています。マラソンに喩えると、42キロの長丁場をトップでゴールインしたら、2位の人と3位の人とでもう1回、400メートルを競走してくれ、それに勝った人がほんとのウイナーだと言われるようなものです。読売のナベツネさんの「ペナントレースを3位であがったチームと日本選手権はやりたくない」という発言は(彼の発言にいつも見られることですが)感情の論理にかなっています。どうしてこういうバカなルールを決めてしまうのか。一言でいえば意思決定機関が合議体になっていないからです。特定の人によって私物化されるとその人がいいと思うヘ理屈が通ってしまうのです。怖い話しです。会社の経営において同じようなことがないかどうか、自戒の見本にしてよい話しです。

文責:清水 佑三