人事部長からの質問

2004/08/24 330

女子マラソン生中継をみましたか?

 同じ質問を会社でしてみました。私を含め生中継をかじりついてみた人は10数名中、わずか4人です。4人に共通していることがありました。Jリーグサッカーやプロ野球の特定チームが好きで、球場に足を運ぶタイプなのです。自分が好きなチームの選手たちの激しい戦いぶりを見るのがたまらないのです。それとミーハーな一面も共通しています。今回のマラソンでいえば選考にケチがついたわけですから勝って見返すしか道がない。退っ引きならない立場に選手たちは追いつめられていました。見ないわけに行かないじゃないですか。

文責:清水 佑三

2004/08/23 329

ミッションを自らに課せる人の特徴を。

認知、判断、行動の連鎖を自分の中にもっている人でしょうね。たとえば、セールスドライバーという職業についている人が、「安全」というミッションを自らに強く課しているとしましょう。なぜ彼はそれを自分に課せられるかといえば、何らかの事件で事故の怖さに開眼(=認知)したのでしょうね。次に彼(女)がすることは、どうやったら自分の運転時に事故を起こさないか、の行動基準づくりです。事故を起こす自分の生理と心理の研究に入ります。また事故事例のデータベースを持とうと考えます。こうした一連の営みが問題に対する「判断」部分です。結果として自分だけに有効な「安全十訓」のような行動基準を用意し、自己教育(習慣化)に取り組みます。これが行動部分です。こうした「認知」「判断」「行動」の連鎖は、「安全」を本当に希求すると自然に続くものです。問題意識がすべてである、という主張です。

文責:清水 佑三

2004/08/20 328

大事(な問題)を放置して小事にのめり込むトップにいらだつ。

大事な問題を放置しているのではないのです。大事な問題があることはわかっているが、自分の力を見極めているのです。その問題に取り組んだとしても何も出てこない、問題解決にイニシアチブをとれない、とよく知っているのです。ならば潔くその地位を捨てればよいのですが、なかなかそういう風に綺麗さっぱりいかないのが人の人たる所以です。織田信長のような歴史上の人物に小説家の目がいって、繰り返し彼を主人公にする小説が書かれるのは、書けば売れるからです。たった1人の「智慧と勇気」でその時代の真の問題解決に命を燃焼させた(ように見える)彼に多くの人があこがれる事実があるからです。これをないものねだりといいます。ご指摘のことは、普通の人がトップに座っている、ということだと思います。

文責:清水 佑三

2004/08/19 327

ナレッジ・マネジメントは有効ですか?

何につけてもカタカナがつくとダメですね。ナレッジという言葉をきいただけで(私の)体は変調をきたします。人工知能のエキスパート・システム(自動診断機構)は、ご指摘の問題を考えてゆく上で参考になります。ご承知のとおり、エキスパート・システムは、優れた専門家がもつ知識を体系化しコンピュータプログラムにくみ上げ、誰でもが一定の情報をインプットすれば、優れた専門家と同等の判断を導くべくつくられたソフトウエアです。レントゲン写真をみて病変のタイプとレベルを診断するソフトウエアを想像すれば「当たらずといえども遠からず」です。医療の世界でいえば、内科の領域ではかなりの割合で自動診断化が進んでいるとみます。患者の検査データをインプットするとある確率で病気を(機械が)いいあてるのです。一人の優れた人がもつ知識を、凡庸な人たちが「結果だけ」享受できるのがナレッジ・マネジメントの狙いです。診断効率は上がりますが、一人ひとりの医師を「馬鹿」にしてしまう効用があります。

文責:清水 佑三

2004/08/18 326

文鎮型の組織は本当にいいの?

文鎮型は別名フラット型ともいいます。文鎮型の組織の功罪をいう場合、従来のピラミッド型組織と逆ピラミッド型組織についての理解が必須です。それぞれの特徴を言っておきます。ピラミッド型組織の典型的なイメージはプロ野球です。機構→オーナー→球団社長→監督→コーチ→選手が縦の系列に並び、ファンは系列外におかれます。意思形成はつねに興行を行う企業の上辺部でなされます。一方、逆ピラミッド型組織の典型的なイメージはJリーグです。地域・サポーター→選手→チームコーチ→経営体→Jリーグ機構という体系が組まれ、Jリーグ機構は建物でいえば礎石の役割を負っている印象があります。ファンのための、ファンによる、ファンの組織体が狙われているとみます。それでは文鎮型組織の典型は何か。公立校の教職員の人たちがそうですね。一人ひとりが独立した専門職であり、あらゆる統制・権力から自由であり、何をやっても文句をいわれません。かれらのありように文鎮型組織の功罪が凝縮されているとみます。

文責:清水 佑三