人事部長からの質問

2007/11/19 1122

上司と部下との評価面談が形骸化してきている印象があります。何かよい方法は?

「当社では四半期ごとに上司と部下の間の評価面談を行っております。制度としてあるからやる、という感じで、だんだん中身の薄いものになってきているようです。こうした評価面談を充実した時間にするためのアドバイスがありましたらご教示いただきたいです。」…評価面談を評価対象にする360度評価法を実施することです。たとえば、8人の部下がいる上司であれば、8人の人がその上司の評価面談について、匿名で評価するのです。評価項目がわかりやすいものであれば、上司の評価面談の適切さがかなりの程度、相対化されます。結果を上司にフィードバックすると、目の色が変わる人が増えます。ヤバイと思うのですね。この評価法で高い得点をとる人が「よい上司」だと私は考えています。

文責:清水 佑三

2007/11/16 1121

目標達成度で評価するしかないのですか?

「当社では、上司と部下が話し合って決めた期間目標に対しての達成度で人事評価をする仕組みになっています。このやりかたは合理的だと思うのですが、その結果の評価を眺めると、これって違うのではと思うケースが多々あります。多くの企業が採っている評価法だと聞きますが、これしか方法はないのですか?」…目標達成度で評価する仕組みは他の基準で評価する仕組みと比べるとより合理性を持っているとみます。ただ、目標を決めるときに話し合われる前期の振り返りの内容があいまいでいい加減だとおっしゃるような「?」が続出する仕組みであることは間違いないです。目標を決める前に、徹底的に前期のありようが上司と部下の間でR&Dされないとダメです。管理職層にR&Dの精神や技術がない企業では「?」のオンパレードになりやすいですね。

文責:清水 佑三

2007/11/15 1120

ブリッジSEに求められる資質は?

「お客様との打ち合わせ、システムの設計を日本で行い、実際にシステム構築するのは海外(主にアジア)でというケースが増えてきています。海外のシステム構築をする人たちに、具体的な指示を出す現地スタッフの“ブリッジSE”を相当数持たないといけない。彼らに求められる能力は何でしょうか。」…まず、日本で顧客との設計段階の打ち合わせに関わるところから始まるので、日本語力とともに通常のアプリケーションSEに求められる能力が必要ですね。次の問題は、現地スタッフに「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」ができる能力です。この二つを同居させている人を探す、だと思います。

文責:清水 佑三

2007/11/14 1119

仕事上の負荷が少ない若手でのメンタル問題が気になるのですが。

「若手社員でのメンタルが問題になっています。残業が多くて…というのならわかるが、仕事の負荷が大きくない人でもうつ病の発症者がいます。何か考えられる原因はありますか?」…うつ病の発症に影響を与える最大の要因は「ストレス」です。ストレスは、その人の平常心を壊してしまうものすべてをいいます。老若男女、若手中堅、国籍等を問いません。半人前時代の若手層にとっての最大のストレスは「このままではとりのこされるという自意識」です。多くの企業がこの層に対して、メンター制度を導入しているのは、それへの対応です。きめこまかいメンター制度を準備されたらいかがでしょうか。

文責:清水 佑三

2007/11/13 1118

“ブランド力”とは、何から生まれるものですか?

卓越性への絶えざるこだわり、がハンパでないレベルにおいて持続する場合、ある年月を経て“ブランド力”が生まれるとみてよいと思います。信用の神話化現象ですね。ソニーもホンダもそのようにしてブランド化していったと思います。偉人伝にでてくる人もみな同じです。プロ野球のジャイアンツもそうでした。次の問題は、卓越性への絶えざるこだわり、が何から生まれるかです。私はたった一人の人の強い意志から生まれるという考えをもっています。ジャイアンツでいえば、正力松太郎さんですね。井深大、本田宗一郎とあげてゆけばわかると思います。キリスト教のブランド力はイエス・キリストの強い意志から生まれた、という主張です。

文責:清水 佑三