人事部長からの質問

2007/11/26 1126

「…道」で共通して身に付くものは何でしょうか?

「まだ第二新卒世代の者であります。何となく「道」がつく何かを始めたいと思い、近所にある道場で柔道を一からやろうかと考えています。合気道、弓道に勤しまれた清水さんのお考えを教えていただければと思います。」…面白いご質問ですね。私は茶道などにも一生懸命になった時期があり、「…道」が元々すきなのかもしれません。質問にある「…道」とは上手になってゆくことを通して「精神の高み」を追求する世界をいいます。あくまで手段として弓、茶などがあるのだと思います。その趣旨がいまだに色濃く残っているのは、剣道です。高段者への昇格条件に「その人の内なるものの高み」が強く要求されています。「…道」とは、平たくいえば強くなることを通して人間を磨く、プロセスです。

文責:清水 佑三

2007/11/22 1125

注意をすると「はい」としか言わない。後は黙ってしまう。

「標題タイプの若手の増加が気になります。注意されたら“ありがとうございます”とまずいうべきです。“はい”と言ったまま押し黙るのはいかがなものか。その後の行動を見ていると、何も変わらない。あの“はい”は何なのでしょう。」…私にも経験があります。「わかりました」を連発する人が部下にいます。ところが同じ間違いを繰り返す。「わかりました」とは「そのように致します」のはず。何じゃこれは、と思います。でも、みんなある時期、そうだったのではないでしょうか。お相撲さんが入門したての頃、何ができたでしょう。そう考えると世を慨嘆するほどのことではないのでは。ご自分の初心者時代を思いだしてください。

文責:清水 佑三

2007/11/21 1124

コンピテンシーモデリングをするとき、ヒアリング方式は有効ですか?

「ジョブローテーション時のミスマッチを減らすために、職務別コンピテンシーを導入したいと考えています。その際、社員サンプルに御社のOPQをやってもらい、そこからそれを導くというやりかたと、職務に精通した社員のヒアリングによってそれを導くやりかたの二つを検討しています。どちらの方法がよいでしょう。」…たとえば、外野手に優先される職能をつきとめることを考えてみましょう。全外野手の(運動性能に関する)測定データと評価ランクをデータマイニングにかけます。すると反射性能、強肩、走力の三つが出てきます。外野手に集まって合議してもらってもだいたい同じ結論が出てきます。正しいやりかたをすれば、どちらでもいいと思います。

文責:清水 佑三

2007/11/20 1123

課長直前層に不満がたまっているようです。

「貴社の(従業員意識調査法の)『目安箱』を利用していますが、結果を見るとマネジャーになる前の層にモヤモヤ度が高い。この年代の人たちを上手く意欲形成する方法はありますか?」…この傾向性は決して御社だけの特徴ではないです。もっとも実務的に負荷がかかる層でありながら、見返りが十分とはいえない層です。ふっきれないものが残ってしまうのですね。この層に対する会社としての施策ですが、思い切ってレベルの高い海外留学に一年間行かせたらどうでしょう。10年を超える企業経験が、いろいろな意味で総括され、次の10年に向けての気構えのようなものを作れる気がします。抜けた穴をどうする、という声が聞こえますが、これこそ最大、最高の投資だと思うのですが。

文責:清水 佑三