人事部長からの質問

2007/12/03 1131

読書の秋と言いますが、清水さんが今読まれているのは?

書斎にある本を最近は一つひとつ読み返しています。岩波の古典文学大系の何冊かを手にとることが多いです。古事記、万葉、古今和歌と読み返しています。終わったら、斎藤茂吉全集を最初から最後まで読み通したいと考えています。彼の歌や文章はどういうわけか自分の気質にあっていて、何を読んでも面白く楽しい。こういう人がいてくれたことを感謝しています。斎藤茂吉に移ったぐらいのころあいに“みなさんさようなら”となるような気がします。

文責:清水 佑三

2007/11/30 1130

定着性は良いが、活気があるとは言い切れない。このままで良いのでしょうか。

定着性が高くて活気がある職場はあまり見たことがないです。住んでおられる町の市(区)役所に行かれて観察されてるとよくわかります。就業時間中の彼らの仕事ぶりはまさに「活気ゼロ」です。お通夜のようです。ところが、終業ベルがなるととたんに私語でピーチク、パーチクやりだす。それって何?と思います。こういう職場の定着性が高いのです。何が言いたいか。定着性と活気は両立が難しい価値だということです。そのことをよく踏まえた上で、どちらが今優先されるか考えてください。私は活気の方だと思います。

文責:清水 佑三

2007/11/29 1129

マネジメント層に変化を促したい。効果的な手法はありますか。

「信用金庫の人事部で人事企画の仕事をしております。金融業界は扱う商品も増え、昔とは様変わりの世界になっています。今の支店長クラスの人間は皆40歳以上なのですが、昔のやり方しか知りません。この層が進歩の阻害要因になりかねない。彼らを化かしたいのですが妙案は?」…妙案は化けた人を重用し、そうでない人はその反対の処遇をすることです。それをガラス張りでやれば、化けないと大変なことになると40歳以上のみなさんが考えます。次に起こる現象は、退くべきか、突進すべきか、を自分で決めるようになります。退くべきだと思った人たちの受け皿をきちんと用意することが人事企画としてとても大事です。

文責:清水 佑三

2007/11/28 1128

一般職から総合職への昇格基準を教えてください。

総合職を管理・経営へのトレーニー職と定義すれば昇格基準が導けます。一つは、プロジェクト・マネジメントに興味があるかどうか。二つは、ピープル・マネジメントに興味があるかどうか。三つは自らの人格の陶冶に興味があるかどうか、です。なぜ興味があるかどうか、がポイントになるのかですが、興味がないと何事も始まらないからです。四つ目の基準は、情報処理能力です。総合職になると、膨大な情報を短い時間で取捨選択して、何についても正しい知識をもって臨むことが求められます。当社の「決裁箱」という情報処理テストであまりに低い得点の人はカットすべきです。

文責:清水 佑三

2007/11/27 1127

人事考課点を使って「職務要件」を抽出するやりかた。

「技術者向けの職務要件モデルを作りたい。そのためにサンプル社員の人事考課点の提出を御社から求められています。お恥ずかしい話ですが、当社の技術畑の管理職のつける人事考課点はあやしいのです。こういう場合はどうすればよい?」…全員があやしい点をつけるわけではないです。あやしい点をつける人と、そうでない人、その中間の三つのグループが存在するだけです。あやしい点をつける管理職は、その人が過去につけた人事考課点を分析するとすぐわかります。その逆の人もすぐわかります。あやしくない点をつけた人たちの配下の社員をサンプリングして、モデリングすればいいのです。ついでに、あやしい点をつけた管理職については、機会をみて、ラインから外れてもらったほうがよいです。

文責:清水 佑三