人事部長からの質問

2004/10/22 370

フリーターに対して清水社長より励ましの一言を。

私はある時期、自動車工場の季節工をしていました。体質的に夜型ではないため、どうしても深夜勤務がきつくて、夜中の食事時間のあと、3時くらいになると、どうしても立っていることができず、何回か、膝から崩れてしまったことがあります。24歳の時でした。自分はいま水砥工の初心者であり、一流の技術をもって堅実な生活ができるようになりたいと痛切に思ったものです。その時のことはよく覚えています。どういう仕事に就くかが大切ではなく、就いた仕事とどう毎日向き合うかそれが一番大切ではないかと思うのです。お手紙に接し、なつかしく自分のある時期のことを思い出しました。

文責:清水 佑三

2004/10/21 369

清水社長の読書術を教えて欲しい。

人様にお話しできるような読書家ではないです。むしろ、書物的なるものを嫌って人生をわたってきました。それはともかくとして、小さい頃からのモットーですが、「一冊の本をちゃんと読めない人は二冊目の本もまた読めない」を心においてきました。私の書斎には個人集(全集、著作集等)のほかはありません。手元においていつも読んでいるのは、森鴎外、柳田国男、斎藤茂吉、谷崎潤一郎、石川淳、澁澤龍彦、井伏鱒二、小林秀雄、吉田秀和、司馬遼太郎といった人たちの全集類です。井伏、小林は二種類の全集をもっています。二つともボロボロですね。全集を買ってはいないが、図書館にいって一冊づつ借り出して愛読したのは松本清張です。同じ本を繰り返し、繰り返し読むが私の読書術といえますでしょうか。そのうち、どこに何が書いてある、か自然にわかるようになります。

文責:清水 佑三

2004/10/20 368

ソフトバンクのホークス買収発表をどう思いましたか?

孫正義さんの風貌がずいぶん変わったな、が記者会見のテレビ報道をみた第一印象です。表情や言葉づかいに年齢の重みが加わっただけでは説明できないような「抑制的なもの」を感じました。「一昨年前から」といった言葉の使い方での誤用があるのは昔のままですが、(1)私は野球少年だった(2)福岡で育った(3)水面下では前から交渉をしていた(4)ホークスの名前は残すかも、などの発言要旨は、攻撃的ではないですね。むしろ、弁解に近いニュアンスがあります。ニュース性の強さ、衝撃に対して十分な影響を知っている、という印象です。それと全体の印象として目の前の記者たちへのとまどいがありました。孫正義さんでも若いスポーツ記者相手の会見は勝手が違うのだなあ、が正直な感想であります。

文責:清水 佑三

2004/10/19 367

会社への求心力を高めるための具体策を。

いろいろな家族をみてきての感想ですが、求心力のようなものを豊かにもつ家族とそうでないバラバラ的家族があるように思います。この違いが何によって生まれたのかよく考えます。前者の家族に共通するのは、家族第一主義のような価値観を(構成員全員が)もっていることだと思います。具体的には、みんながお互いについて関心をもちあい、喜怒哀楽をともにする生活習慣、態度、行動様式をもっていると感じます。こうした家族に顕著なのは「家族旅行を好む」ことです。逆に後者の家族に共通するのは、構成員それぞれが自己中心的であることです。ご要望の具体策ですが、新卒、中途を問わず採用時に「家族中心主義的か自己中心的か」を識別できるリトマス試験紙を用意することでしょう。構成員のすべてが家族主義的であれば、結果的に組織は求心力をもつことが可能です。「自己中」を集めて求心力をといっても無理です。

文責:清水 佑三

2004/10/18 366

女性と男性では思考法が違う?(『話を聞かない男、地図が読めない女』という本からも、また日常生活においても「思考の違い」を感じることが時にあります。)

違うと思います。端的な言い方をすれば、女性(性)にとって、目標、戦略、ソリューションといった抽象性の高い言葉は理解しがたいのです。一方、男性(性)にとって、どうしてこんなときにそんなことをいうの、といわれてもピンとこないところがあります。ご指摘にあったピーズ夫妻の『話を聞かない男、地図が読めない女』は、動物の系統図の中にヒトという種をおいて、性差についてたくさんの証拠をあげて言及しています。たとえば、目の働きが男性(性)は望遠レンズ的であり、女性(性)は広角レンズ的である、というような指摘が次から次に出てきます。とても面白い。数年ごとに会社を変えたい女性心理は、好きな人を数年ごとに交代させる心理と共通しますが、男性にとってはそれこそ生涯の一大事だと考えるのです。まさに思考法が違うと思うのです。

文責:清水 佑三