人事部長からの質問

2004/10/29 375

個人営業的な業務だが、離職率が高すぎるように思う…

シンガポールの話ですが、一人の人が一つの会社に3年勤めたら、勤めすぎなのだそうです。週1ドルでも給与を高くくれるところがあると、すぐ転職だそうです。個人営業的な職場だと、シンガポール症候群が起きるのでしょう。ならば、離職率が高くならないギリギリの線で成果給を出せばよいと思います。他の仕事と営業とを完全に分けて扱うのです。フレックス給与制度です。この線のひきかたがうまいと成果があがらない人から順にやめてゆきます。離職率そのものは変化しなくても売上は大幅に増加し、売上と利益がアップする計算となります。

文責:清水 佑三

2004/10/28 374

360度評価の導入をトップが反対している…

そういうものだと思います。文化大革命の三角帽子や人民裁判のような印象を受けるのでしょう。360度評価法を管理職層に導入しない会社をたとえると、大統領(首相、内閣、政党)支持率を法律で禁じている国家のようなものです。民意のあるところをたくさんの角度から類推する、は国家(会社)経営の要諦なのです。以上が愚痴のフォローですが、ではどうしたらよいか。私はフィードバック・カウンセリングをセットした「360度評価法による自己啓発支援プロジェクト」をパイロット的にある部署、ある層に限定して実施し、それを体験した人たちによる「賛成大合唱」を演出することを提案します。よいフィードバックを受けるとどんな管理職も360度評価法のファンになるものです。

文責:清水 佑三

2004/10/27 373

研究職に成果主義的要素をいれたいが。

R&Dとひとことでいいますが、産業分野や企業規模等の違いのほか、その仕事が、たった今の競争にからむものか、何年後かの収益貢献を期待してのものか、担当している部分が、製品やサービスを樹木に譬えたときに、根っこの部分なのか、幹か枝か葉か花か。周辺技術や特許がまったくゼロの領域か毛細血管のように知的所有権が密集している領域かどうか。プロジェクトチームの人数や構成員の資質、経験、実績は等で、ご質問にある「成果」の定義が変わってくると思います。こと研究職においては、短期的な問題意識や目標でなされる仕事以外は成果主義的要素を弱めて考えるべきだが私の率直な意見であります。小さい子どもほど大きく育てよ、という意味です。

文責:清水 佑三

2004/10/26 372

ライオンズが勝ちました。野球狂の感想を。

強い印象を受けたのが、名古屋でのライオンズファンの数の少なさです。阪神、ダイエーをライオンズの立場に置き換えて想像すればわかります。伊東勤監督のお立ち台インタビューをあそこまで寂しいものにさせなかったでしょう。「西武ブランド」に対して、温かい、懐かしいイメージをもつ人がいかに少ないか、存在そのものの人徳のなさのようなものがあぶり出されてしまったと思います。コクド問題は理由の一端を語っているとみます。(詩経三百ではないが)一言もってこれを覆わば「思いよこしまあり」ということでしょう。もうひとつは「おおわが母校」慶応高出身選手、佐藤友亮の活躍です。大昔、南海ホークスにいた(完全試合の)渡辺泰輔以来ではないか。慶応高校出身者は概して根性なしが多いと思っていたが、友亮は違う。修羅場に強い。驚きだし感動でした。それと、落合監督はいつもベンチでひとりでしたが、伊東監督のところには荒木、土井の2コーチがたえず指示を仰ぎにいっていましたね。これも印象的だったですね。

文責:清水 佑三

2004/10/25 371

成果主義のよい側面を。

成果の定義が適切であると、働く人の目標や方法が明確になり結果として強くてよいチームが生まれます。野球の譬えを使えば、ファンを感動させるプレーヤーをそのチームの「よい選手」と定義するようなものです。そのチームの選手はファンを感動させるプレーを心がけて大事な場面になると必死にプレーします。ついには、シビアな状況、条件のもとで神をも驚かす超プレーの連続で奇跡の逆転優勝を果たす、その反対のイメージは消化試合で打率を稼ぐようなプレーの集積です。もう一つあげるとすれば、成果と処遇が適切にリンクされると人的資源の不良在庫が少しまた少しと減ってゆき、ひきしまった筋肉質の組織体質がつくられます。成果が適切に定義され、処遇と適切にリンクされることが条件です。これが非常に難しいだけです。

文責:清水 佑三