人事部長からの質問

2004/11/22 390

意識改革が(全社的に)浸透してゆくプロセスを。

一番わかりやすい事例はカルロス・ゴーンさんの(指揮でなされた)日産の意識改革だと思います。特徴は数字で測れるものでまず目標を定義し、トップが自らのコミットメント(責任の所在)を明確にして(改革を)スタートさせたことです。ビジョンに賛同する有能な人で上位層を固め思い切って権限を委譲しました。最初に手をつけたのは購買です。自らの意志で完結できる領域です。購買改革を通して、利益創出への転換が現実にできることを社員、社会に強く印象づけました。この一連の印象づけのプロセスがイコール意識改革だとみています。

文責:清水 佑三

2004/11/19 389

地アタマとは何か?

言葉公害論、の筆頭にくるような言葉ですね。その言葉があるゆえに社会的差別が助長されるのです。器用、不器用という言葉がありますが、何に対して器用、不器用かをいわない限り意味をもちません。それと同じでアタマの良し悪しは扱う素材によって規定されます。私自身を例にとれば、歌をうたう、ゴルフをする、については極め付きの不器用です。ただ、鏡映文字を(草書体でも)すらすら書けるという面では器用です。歌うアタマ、ゴルフアタマは低いのですが、鏡映文字アタマはよいといえます。地アタマという言葉は、無限、汎用の先天的知能という意味です。学問的に完膚なきまで否定されたgeneral Intelligence(IQ)が姿を変えて化けて出てきただけです。そんなもの金輪際ねえよ、が私の意見です。

文責:清水 佑三

2004/11/18 388

相談ができない人がいるが。

よいご質問だと思います。相談が下手な人を調べてゆくと、(野球の)二遊間のダブルプレーのうまい下手の問題にゆきつきます。ダブルプレーをとれる二遊間(二塁手、遊撃手)は、(1)ダブルプレーは得だといつも思っている。絶対にこの場面ではダブルプレーで凌いでやろうと思っている、(2)打った瞬間に(ダブルプレーに向けて)体が反射的に動く、(3)スライディングで体勢を崩しにくるランナーの動きをスローモーションカメラで捉えてぎりぎりまでよけない、(4)一塁に走るランナーのスピードをみながら、余裕をもって(正確な)ボールを一塁にほうる、というワンセットの思想と行動が反復練習で体にビルトインされている選手です。相談ができない人は、相談の重要性に気づかない上に、日ごろから相談をする反復練習を怠っている人です。(相談が本当に必要な)いざという場面で、金縛りにあったようになってしまい相談しようにも体が動かなくなるのです。野球のダブルプレー以上に難しいのが、人に相談する、ということであります。

文責:清水 佑三

2004/11/17 387

腰掛け組を(面接で)見抜く技術を?

とりあえずどこかに入っておいて本命をゆっくり探そうと考えている(いわゆる)腰掛け組は、ここなら入れそうだという狙いをつけたところを意外とよく研究してくるものです。こちらからの質問には完璧に回答します。そういう人を見抜く方法ですが、個別(一対一の)質問会という状況を設定して、とことんまで応募者に質問させるのです。骨を埋めようと思っている人の質問にはどこか気迫がこもるものです。とりあえず入ってしまえ組は、質問の内容はもっともらしいが、質問する姿勢、態度に気迫がないものです。掘り下げが伴わないものです。質問のための質問になってしまうのです。慣れてくるとよくわかります。「逆面接」と当社が呼ぶ手法です。ためしてみてください。

文責:清水 佑三

2004/11/16 386

尊敬する人はいますか?

今はなき笹川良一さんですね。曽野綾子さんが理事長をされている(競艇の)日本財団を一からつくった人です。人を介してこの人から秘書にならないか、と誘われたことがあります。ずいぶん昔のことで、仲介された人も亡くなられたので今となって知る人のない話しでしょう。当時、その道もありうると考え、笹川良一さんのことを真剣に調べました。これは偉い人だとつくづく思ったものです。何が偉いか、最少の人員で日本船舶振興会を維持し、剰余金を増やしてハンセン氏病などで苦しむ世界中の人たちに確実に届けたことです。同じ浄財を扱う日本中央競馬会では考えられない構造です。ODAとは雲泥の違いがあります。ご縁がなく話しだけで終わりましたが、笹川さんの「火の用心、お母さんを大切にしよう」の教えは一生懸命に守っています。お風呂のお湯を溢れさせてはダメ、へそのところまで、という教えだけは守れないでいますが。

文責:清水 佑三