人事部長からの質問

2004/12/14 405

平気で嘘をつけるのは才能か?

ご質問の前段にあった「北」の今回の偽遺骨提供は、計算しつくした国家としての作戦が裏目に出たということだと思います。作戦の前提としてここまで燃やせばDNA鑑定はできないという「北」の専門家の読みがあったに違いありません。その読みをもとに「嘘作戦」に賭けたのです。才能というよりは苦肉の策というべきでしょうか。お尋ねのご質問です。一般に「嘘をつく」ような不徳は評判が悪いものですが、不徳もまた才能であると喝破したのは福沢諭吉です。彼の思考法をまねて、嘘つき(という不徳)と想像力(という徳)とは、実はセットになっていて不可分のものであるという考えを十数年前に出させていただいた「嘘つきのススメ」という本の中で書きました。嘘をつかないで生きて行こうとすると自然に想像力という才能が枯渇してゆくと考えたのです。したがって、ご質問への回答はイエスとなりますね。

文責:清水 佑三

2004/12/13 404

自分に甘い人をどう扱えばよいのか?

どうしようもない、というのが実感です。松井やイチローのように自分に辛い人は行動変容を繰り返して進化し環境適応してゆきますが、その反対の人は行動そのものを変えないからどうしようもないのです。他人に対しても自分に対しても立派ないいわけが完備していますからピントがどんどん狂ってゆくのですが、それを感知するセンサーもないか壊れていて機能しません。右を見ても左を見てもどうしようもない、のですね。そういう人が上にいると下はほんとに困ってしまう。猫に鈴をつけようにもつけようがないのです。以上は自分のことを念頭において書いたものです。

文責:清水 佑三

2004/12/10 403

アセスメントの上位得点者はイヤなヤツが多い。

ご指摘のとおりだといつも思っています。性能がいい人でいいヤツは希少です。その昔、峯村光郎という労働法の大先生が、中学の校長さんとして赴任され、始業式で「善良かつ聡明であれ」と話されました。善良と聡明が対立的な関係にあるからこその話です。こども心になるほどねとおもったことでした。与えられた課題にたいして適切な行動をとる人がアセスメントの上位得点者です。自分をごく自然に媒体(手段)化できるのです。そんなのは天然ではありません。思うとおりに動いてくれない自分に手を焼いているのが普通の人です。そういう人からみてイヤなヤツだと思うしか手がないじゃないですか。

文責:清水 佑三

2004/12/09 402

愛嬌のある人を見抜くコツは?

流行語大賞というのがありますね。あれがミソだと思います。愛嬌基準で選ばれているのです。今年でいえば武部勤自民党幹事長、堀江貴文ライブドア社長などが選ばれました。いずれも愛嬌があります。憎めないのですね。堀江さんの場合「新規参入」という言葉によって選ばれたのですが、受賞御礼の挨拶で「新規参入できなかった私がどうして」といって笑わせました。笑わせる能力と愛嬌は同じです。楽天の三木谷浩史社長は今年のベストドレッサー賞に選ばれました。この賞は流行語大賞の対極にあるもので、イイカッコと愛嬌はもともと同居しないものです。人生においてどちらかを狙うとよい、が私の持論です。愛嬌を見抜くコツはありません。笑いを誘われるかどうかだけです。

文責:清水 佑三

2004/12/08 401

御社の賞与評価の仕組みを教えてください。

従来型の基準賃金×月数主義でやっています。創業以来17年間、冬は2.5ヶ月、夏は 2.0ヶ月が基本になっています。評価を入れて個人別に差をつけています。冬は360度評価を行い、「好感度」が高い人が上にくるようにしています。夏は、数字で検証可能な「成果」が高い人が上にくるようにしています。おもしろいのは、夏のトップグループが冬の最下位グループになる事実です。成果追及型で結果を出してくる人は周囲の好感度においていまいちだということです。好感度とは顰蹙を買う度合いの反対の行動です。夏冬のトップがいれかわる事実はおもしろいですね。まさに価値の多様化ができていると思っています。

文責:清水 佑三