人事部長からの質問

2004/12/21 410

360度評価で「判断力」が弱い、という結果がでた…

「判断力」が弱い、という一面だけをとりあげて自分をみてゆくと気分が暗くなり落ち込みます。ビジネスの世界で生きていけないのでは、といった不安にもつながります。「判断力」が弱い、とはなんでしょうか。「決断力」「行動力」があると実は同義なのです。私の長い仕事人生からの帰結ですが、事をなす人は「判断力」よりも「決断力」「行動力」を多くもっている人です。そういう人は第一印象形成能力が高く、瞬時に事の本質を見抜いて行動に移します。選択肢ごとの利害得失を論じる趣味をもたないのです。結果として説明を好まないか、しても簡潔、直截的になります。構ってもらえないと感じる周囲は「判断力」において不足がある、と(調査票に)書くのです。気にしないことです。

文責:清水 佑三

2004/12/20 409

税金についてどのように思われますか?

私は国、会社、個人をとわず「貧すれば鈍する」だと思い思いしてきました。鈍する状態に自分をおくのはきついので、なるべくそうならないように自分なりに努力をしてきた印象が(振り返ってみて)あります。会社が(個人の適切な営みを通して)利益をあげ、利益の中から税を多く納めるのは「名誉」であると考えてきました。その結果、国が富んでODAのような機構を通して、そうでない国の人々に少しでも還元できれば本望です。またよい迎撃ミサイルをもてれば、外交において卑屈になる必要もなく大変結構だと思っています。西武グループ創業者にみられるといわれる節税や脱税という視点は理解できません。多額納税者になるのが私の理想です。

文責:清水 佑三

2004/12/17 408

忠誠心を大事だと考えるが。

おっしゃるとおりですね。チーム間をどんなに渡り歩こうが、今いるチームに対して強い忠誠心をもつ選手がよい選手です。アメリカの国立ガン研究所のディーン・ハマーという人は彼の著書「The God Gene」の中で、そういう人は「VMAT2」という遺伝子をもっているといっています。この遺伝子をもつ人の特徴は、自分の巡り合わせを「みえざるものの意志」と受けとめるところにあります。神様がほんとうにいると思っているからなりたつ話です。どのチームにトレードされても、そのことに対してどうこう思わずベストプレーをこころがけます。忠誠心はそれを注ぐ対象によって規定されず、忠誠心をもつ人の心性によって規定されるものです。その心性の強弱を見抜く面接法がありますが、門外不出で当社の面接技術訓練コースでのみ教えています。

文責:清水 佑三

2004/12/16 407

日本人は賢いと思いますか?

思いますね。一国のトップはいい意味でも悪い意味でもその国(および民)を相似形で表現しているものですが、小泉純一郎さんの言動に「賢さ」を強く感じます。彼の思想は「靖国」での彼の言い分によく出ています。こころならずも先の大戦において尊い命を犠牲にされた先人の御霊のうえに今の我々の豊かさがある、は100%、サンケイの主張です。ナショナリストなのです。彼は国論を右にもってゆきたい。そのために自分が「北」の反則に対して沖識名さん(力道山時代のレフリー)の役を演じているのです。ひどい反則を見て見ないフリをして国民の感情を高めているのです。山本周五郎さんの「樅の木は残った」の原田甲斐の最後の乱心場面と同じです。自ら汚名をきて国論をまとめているのです。賢いですね。

文責:清水 佑三

2004/12/15 406

創造的管理職は全体の中で何%くらいが適正規模か?

おもしろいご質問だと思います。確かに、各社の管理職とよばれる人たちとお会いしていると、(ご指摘のとおり)運用的管理職と創造的管理職に大別できるように思います。理想のバランス(比)ですが、会社の余裕の函数です。それがゼロの場合、基本的に(創造的管理職は)ゼロにしないといけないです。内部留保が厚く安定的に収益があがる事業構造をもっていれば、(創造的管理職比率を)限りなく100%に近づけることが可能です。ここから三段論法的に、富むものはますます富を蓄え、富まざるものはますます貧を蓄えるという図式が導かれます。創造的管理職の試行錯誤の量が明後日の糧と比例するからです。

文責:清水 佑三