人事部長からの質問

2005/01/12 420

残業が多いため貢献度の高い管理職より年収の高いベテランがいる。

この問題に頭を悩ませている企業、組合は多いと思います。厚生労働省の調査によれば、04年1月時点で裁量労働制を採用している企業の割合は、専門業務型で2.5%、企画業務型で0.5%にとどまっているそうです。かりに裁量労働制をしいたとしても、「みなし労働時間をどのラインに設定するか」は答えがない問題です。労働組合は少しでも長い時間に設定しようと頑張りますし、会社の力が強くて実績時間よりも短ければ、サービス残業の誹りをうけかねません。誰も名案らしい名案をもてず、今日もまたサービス残業110番の電話はなりっぱなし、労基署への駆け込み訴えはひきもきらずです。情報・人脈・技術を独占しているシニアは何をいってもきかずに(管理職になろうとせずに)多額の残業料を毎月せしめます。どこかがおかしいのですが(私もみなさんと同じく)この問題には口を濁します。

文責:清水 佑三

2005/01/11 419

人事部の仕事はこうなると言い切っている人がいれば教えてください。

日経新聞に昨年10月から不定期連載されている「こちら人事部」によれば、いろいろな言い方がなされていて面白いです。いくつかを紹介しましょう。「人事部の仕事はキャリアカウンセリング」(日本IBM)、「人事部の仕事は社員のキャリア形成支援」(ソニー)、「本社人事部はグループ会社を横断する適材適所を推し進める部署」(伊藤忠)、「自立と成長を促す制度を現場の社員につくってもらう」(マツダ)、「成長のための仕掛けづくりがほんとの使命」(ミスミ)、「事業構造改革を促す舞台装置をつくる」(日立キャピタル)。大きな流れはプロデュース機能、個への支援機能の二つですね。企業活動が壮大な演劇的興行の世界に変貌しつつあり、演出家と役者の魅力で勝負する時代に入ったということだと思います。

文責:清水 佑三

2005/01/07 418

腰の据わった視点で人事部職掌に切り込んでほしい。

日経新聞に「こちら人事部」が掲載されています。とても面白い連載で日本企業における人事部の今、を考えるうえでたくさんの情報、問題意識を提供してくれています。私の関心外のテーマもありますが、このQ&Aの場を借りて、そのひとつひとつを検証してゆきたいと思っています。腰が据わっているかどうかは別にして、人事部長の素養アップに多少の貢献ができればという気持ちであります。乞うご期待というところでしょうか。

文責:清水 佑三

2005/01/06 417

採用の本質は何か、よく考えます。明答を。

何々とかけて何と解く?という「謎かけ」という遊びがあります。たとえば人事部長Q&Aのコーナーとかけて何と解く?、場末の骨董屋さんと解く、そのココロは?「ほとんどガラクタだが、稀におもしろいものが出る」のような感じです。その遊びを借りて、「採用とかけて何と解く?」という問いには「村の鎮守の神様の今日はめでたいお祭り日と解く」。そのココロは?「毎年やってくるお祭りイベントだけど、村(会社)の明日の幸せを祈って厳粛かつ愉しくつづけてゆきたいなあ」であります。

文責:清水 佑三

2005/01/05 416

今年の抱負は?

昨年12月15日に放映された「その時歴史が動いた」の「土方歳三、箱館に死す」を見て私の中で何かがふっきれました。五稜郭を攻めた官軍に対して、土方隊が劣勢であったにもかかわらず健闘した秘密について「その時…」の制作スタッフは現地に立ってじつによく洞察していると思いました。激戦のさなか「退くものがいたら俺が斬る」といって抜刀して最後尾に土方が立ったという話しが凄い。多分、リーダーの仕事はそれなのだろうと思います。優秀、有能な官僚は、戦っているポーズをとりつつ、無意識で戦場から逃げようとするのですね。それなりの理屈はいつもあるのですが、要するに死ぬのが怖いだけです。理屈を並べて戦いを避けようとする高級官僚を抜刀して斬る、が今年の私の最大のテーマです。

文責:清水 佑三