人事部長からの質問

2005/01/19 425

講演でホリエモン礼賛をされていました。真意を。

ライブドアの堀江貴文社長は文句なしにおもしろいです。かれのブログを訪れる人は膨大な数にのぼるそうです。そうでしょう。おもしろいからです。自分を肯定する能力が異常に高い。自己愛をあっけらかんと口に出します。そういう能力をもちたくてイライラしている人からみれば英雄豪傑に見えます。彼の自己肯定的な発言の例を指摘すると日経ビジネス「アソシエ」1月18日号に載っている話しです。「小学校のときにみんなを自分の家来みたいにしたがる奴と同じクラスになったことがあった。僕はそいつの言いなりにならずに取っ組み合いの喧嘩をして後で仲良くなった」。ビートたけしと同じタイプですね。「その男、凶暴につき」の魅力が匂います。そうしたくてできない人にとってたまらないのですね。

文責:清水 佑三

2005/01/18 424

適材適所の布陣はなぜ難しいのか?

大きくみて三つの要因が指摘できます。(適材適所を)ボルトとナットの嵌め合わせに譬えれば、ボルトもナットもなまこのようにクネクネしているのです。両方が動くのでうまく嵌め合わせができない。もう一つは予算主義の壁があります。計算できる選手をもっていかれると(もっていかれるほうの)現場はとても困るものです。なぜなら現場は予算達成責任をおうからです。飛車角抜きの将棋を指せといわれるようなものです。最後に適材適所かどうかはすべて結果論としてのみ存在する概念であり、もともとその概念そのものが「幻想」かもしれないという本質的な理由があります。そんなものないと思っている人が実力者に多ければ、布陣する側への抵抗勢力になりますよね。

文責:清水 佑三

2005/01/17 423

コーチングについて教えてください。

大学受験での個人指導塾を想定すればよいでしょう。名前が通っている塾は、超難関校に預かった生徒をいとも簡単に入れてしまいます。その秘密がコーチングです。生徒の資質はそれほど問われません。中の上くらいで十分です。ある科目のレベルアップを阻んでいる「障害物」をつきとめる技術とそれを本人に(自分で発見したかのように)思わせる技術の二つがポイントです。ところですぐれたコーチングによって、タイガー・ウッズは勝ち続けました。そのコーチとの縁を切ってから低迷期に入っています。世相が変化し、大学受験でのコーチングが企業人にまで波及してきたということだとみています。

文責:清水 佑三

2005/01/14 422

外国人と一緒に研修するとどういうことが起こりますか?

エス・エイチ・エルに職を得て、一番おもしろかったと思う経験がご指摘の多国籍教室ですね。ヨーロッパの支配人たちは、英語でまくしたてますが、発音に訛りがつよくて時々ききとれない。逆に、韓国、日本からの人たちは押し黙って言わないが、発言するときは「教えられた端正な発音で文法にそってものをいう」。面白いです。ワークショップのような場面で、日本人生徒が弱いのは、(1)英語力、(2)質問力、(3)ユーモアでしょうか。逆に強いのは(1)理解力、(2)妥協力、(3)怒り出さない、でしょうか。

文責:清水 佑三

2005/01/13 421

もっとも注目している社長ってありますか?

任天堂の岩田聡社長ですね。最初のきっかけは、2002年5月31日の日経新聞「けいざいじん」に掲載された新社長紹介記事でした。そこに、任天堂向けゲームソフト開発会社ハル研究所で「星のカービィ」などの人気ソフトを生み出し、ハル研倒産後に33歳の若さで再建を任された岩田さんの仕事ぶりが詳しく書かれていました。クリエーター1人ひとりとの話し合いに年間1ヶ月程度を費やし、適性や潜在能力を見極めることに心血を注ぎ、ついに倒産会社を優良会社に変えることに成功したと記事にありました。任天堂の人事の方にうかがうとまさに社長就任後もそのとおりで、社内での個人との対話をとても重視しておられるそうです。社長業を1人ひとりの社員のキャリア支援業と捉えているのだと思います。本当に敬服に値いすると思っています。

文責:清水 佑三