人事部長からの質問

2005/05/19 505

現法(中国)での人材流出に悩む。何かいい手はないか?

米国のP&G社(のやりかた)を学ばれたらどうでしょうか。個人の利益をまず考えるとされる米国社会において、個人と組織がお互いの利益を長期間にわたって(折半して)享受できる企業理念を標榜し、様々な試みに挑戦されています。結果として良質な人材の流出を防ぐことに成功している印象を受けます。形の上では個人に無限の帰依を求める宗教活動によく似ていますが、透明性と合理性の二点で宗教活動とは異なっていると思います。

文責:清水 佑三

2005/05/18 504

権限委譲する際のコツのようなものを教えてください。

やってみせ 言ってきかせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ。山本五十六さんのこの言葉に権限委譲の要諦が見事に要約されています。ほんとにそうだよなあ、と思います。ポイントは、やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、という部分です。たとえを使うと、剣術の道場主がいい弟子をとるときの要領ですね。やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、それなりの動きをする人だけを弟子にすればよい。そうすると素質のある人たちのよい集団が生まれ、弟子たちどうしが切磋琢磨して当代並ぶもののないレベルの高い道場がもてます。やってみせ、言ってきかせて、させてみて、筋のよさを感じる人に任せればよい、です。

文責:清水 佑三

2005/05/17 503

中・印の経済成長の行く末は?

あまり知られていませんが、日本で文化・文政といっていた時代、中・印を足したGDPは、世界のほぼ半分を占めていました。その後、2世紀近くの「眠り」を経て、今、ふたたびふたつの大国は18世紀初頭の勢いをとりもどしつつあります。すでに2003年の段階で「購買力平価ベース」のGDPの国際比較は、米、中、日、印の順になっています。私が注目するのは経済力よりも医学の世界です。日本医学というのはきかないが、中国(漢方医学)、インド(アユール・ヴェーダ)ともに独自の医学体系をもっています。このことは独自の知性の系をもっていることと同じ。欧米の時代が終焉し、中・印文明の時代がふたたび興る、が私の占いです。

文責:清水 佑三

2005/05/16 502

当社のトップから教養の香りが漂わないのが残念。

15年間広島カープでプレーし終り3年をロッテ、阪神でプレーした高橋慶彦の話です。79年の日本シリーズでMVPの栄誉に輝いた人です。記者投票で選ばれるセ・リーグのベストナイン賞を5回もとっています。ヘンな表現ですが、この人には「野球における教養のようなもの」がありました。それって何だろう、と考えてきました。(中国新聞主催)20世紀のカープ最優秀遊撃手に選ばれたときの高橋慶彦の感謝メッセージに接して、腑に落ちるものがありました。「よいチームメートに恵まれ、野球をやっていてほんとに楽しかった。感謝の気持ちがあった。それを素直にグランドで出したいと思って、人一倍努力した。ファンにわかってもらえてうれしい」。御社のトップはよいチームメートに恵まれていないのではないのでしょうか。

文責:清水 佑三

2005/05/13 501

ゆとり教育、の弊は企業に及んでいますか?

申し訳ないが、私には学校教育についての知識が皆無です。ゆとり教育なるものがどういうものなのか。どういう経緯で取り入れられ、どういう理由で今、問題視されているのか。さっぱりわかりません。というより学校教育にもともと関心がないのです。もっといえば、学校教育に限らず、そもそもうちの会社の教育は…と口角泡を飛ばす教育オヤジたちもみなヘンだと思ってきました。教育的なことに興味をもつ心性に疑問を感じて参りました。自分の教育に日々手を焼いていて、他人の教育のことまで気がまわらなかったのだと思います。ごめんなさい。

文責:清水 佑三