人事部長からの質問

2005/06/23 530

字で人を判断できますか?

一つだけの文字では何も判断できません。しかし、800字程度を条件づける課題作文を升目や罫線のない白地の紙に手書きで書いてもらうと、その書きぶりからいろいろなことがわかります。たとえば「か」なら「か」を選んでマーカーで印をつけていきます。同じ「か」が繰り返し現れる人は普通の人です。まったく違う人が書いたと思われる複数の「か」が混じる人は多重人格ポテンシャルをもっています。また、文字を書く丁寧さが第1字から最終字まであまり変わらない人は車の運転をしても事故を起こしにくい。突然、丁寧さが大きく乱れるような人がいますが、このタイプは事故を起こしやすい。ことほどさように筆跡から、たくさんの(個人差識別)情報が得られます。

文責:清水 佑三

2005/06/22 529

「役員への教育・研修」に金をかけたくない。

たたきあげの社長が異口同音のようにいうことですね。リアリストを自認する人ほど教育的な世界はきらいです。効用を信じられないからです。ところが、世界をリードする382社の人事責任者への聞き取り調査の結果がある新聞に出ていましたが、経営層への「教育・研修」にお金を使っている企業とそうでない企業とでは、社員一人あたりの利益が3倍も違うそうです。投資しても無駄な人に投資しようと考えるバカはいないから、投資対象を事前選別するようになる。投資額が大きくなればなるほど事前選別は厳しくなる。結果的により優れた人をより優れた人にする「正のスパイラル」が作られる。「教育・研修」の効用というよりも、こうした人事インフラが「リターン3倍論」の秘密でしょう。

文責:清水 佑三

2005/06/21 528

クールビズについてどうお考えですか?

形は内容を規定します。だらしない姿勢で部下にお説教をしても強いインパクトにはなりません。そういう意味で、江戸時代の武士が着た裃(かみしも)は凄いと思います。江戸城、何とかの間で、ご老中、ご重役が膝を付き合わせる場は、芝居で見る限りですが(裃と正座のおかげで)凛とした雰囲気が漂います。(テレビで見ると)立法府を預かる人たちがクールビズと称して、凛とした雰囲気と反対の格好をしてカメラに映ります。この国の形はますます見えなくなりますよね。省資源とはまったく別な精神世界の話です。

文責:清水 佑三

2005/06/20 527

異業種交流会に誘われているが。

誘われているうちが華という言葉があります。だんだん誘ってくれる人がいなくなり、気づいたときは施設でひとりぼっち、が世のならいです。誘ってくれる人がいたら、どんどん出かけてゆくべきです。行ってたくさんの人と接することです。福沢諭吉流にいえば、この世を楽しく生きるコツは見知らぬ人と活発な交際をすることです。そうすると自然に自分と合う人、合わない人という感覚が育ってきます。この感覚がとても大事だと思うのです。自分に合う人を身近に多くもてればこんなに幸せなことはない。振り返ってみると趣味のご縁、地域のご縁などで実に多くの自分にあった知人、友人ができました。楽しいですね。私にとってはこれらの機会が異業種交流会です。

文責:清水 佑三

2005/06/17 526

嘘はいつかばれると思いますか?

ドキッとさせられる質問です。多分、私は回答者として不適切だと思います。『‘嘘つき’のススメ』という本を書いたくらい、ウソをつくことが好きで大事だと思っている人だからです。それはさておいて、ご質問ですが、ばれないウソもあると思います。迷宮入りする殺人事件があるのとまったく同じ意味です。犯人と警察の想像力の幅と深さの勝負だと思います。犯人の想像力が(警察よりも)勝っていれば迷宮入りになる確率はより高くなります。

文責:清水 佑三