人事部長からの質問

2005/06/30 535

セミナーに学生が来ない。どうすればよい。

うちの製品は、性能、使い勝手、価格面どれをとっても魅力がない、営業現場としてどうすればよい、という質問と同じだと思います。どうしようもないです。先輩たちがブランドづくりに心魂を傾けてこなかったツケがまわっているわけです。竹やり作戦を続けるとそういうことになります。ここから導かれる原理原則は、後輩に同じ思いをさせてはいけない。性能、使い勝手、価格面どれをとっても最強だというブランドをつくろう、です。そこが出発点になれば、意外と近未来に風景が一変するでしょう。

文責:清水 佑三

2005/06/29 534

忍耐強さを面接でみることはできますか?

面接で「性能」をみる手法は、大別して獲得過程を詳細に尋ねる方式(ファクトファインディング)と、面接場面で状況をつくった上でその場で「性能」の発揮を求める方式(シミュレーション)の二つがあります。忍耐強さという「性能」をみたい場合、我慢強さを発揮してもらう後者の方式は(時間的に)限界があります。したがって、過去、どのような経験から「我慢づよい」自分をつくってきたか、詳しく尋ねる前者の形式がよいでしょう。話をきいて確かにそういう経験を意識的に積み重ねてきたなら相当我慢強くなるだろうなと思った場合は○です。

文責:清水 佑三

2005/06/28 533

人事セクションにとって「成果」とは?

仕事ができる人とできない人を分けているものはたくさんあると思いますが、間違いなくその一つに、ご質問にある「成果」の事前定義能力があるように思います。仕事ができる人は「目線」が高いのですね。現実性が伴っているのだろうかと不安を抱かせる標高差の高い「成果」を事前定義してきます。逆に仕事ができない人は、現状と同じものを獲得すべき「成果」だと言い張ります。さてご質問ですが、二つある。一つは「キャスティングの妙」、もう一つは「強くて健全な社風」の確立です。この二つはアウトソースしてはいけないものであり、現場に任せられないものです。経営機能そのものだと思います。

文責:清水 佑三

2005/06/27 532

分析力を高めたいがどうすればよい?

のっぴきならない局面に自分を追い込むことです。課題ができなければ「命を投げ出す」と公約する。生きるのを辞めるのは親や子の手前、大変なことですから、死ぬ気になってやり遂げる算段、道筋を考えます。徂徠いうところの「修羅場」がすなわちこれです。修羅場でのみ働く認知・判断の冴えが分析力です。驟雨の中、田楽狭間に陣取る今川義元その人を襲って殺すというアイデアは信長の分析力の結果だ。虎穴に入らずんば虎子を得ず、です。分析力は机上で育つ能力ではない。戦場で命と引き換えに育つ能力です。もっといえばあらゆる能力がそうだ。低いバーを自分勝手に設定してサラリーマンしながら能力を高めたい、は虫が良すぎる。戦争を知らない子供たちの寝言だね。

文責:清水 佑三

2005/06/24 531

コンピテンシーを評価に使いたいが抵抗が大きい。

コンピテンシーを評価に使うべきか否かの議論は措いて、評価制度の改革を阻むものの正体について触れておきます。一言でいえば評価制度をいじることによって革命が可能だからです。昨日まで甘い汁を吸っていたグループが収容所に送られ、逆に不当な扱いを受けていたグループが陽のあたる場所にでる。これが評価制度改革の本質です。甘い汁を吸っていたグループは必死の抵抗を試みます。そのパワーが強いと改革は頓挫してしまいます。国家レベルでいえば、小さな政府への動きが遅々として進まないのはその理由です。税金で禄を食む人すべてに対して「多数の納税者が泣いて喜ぶ行動をとる」というコンピテンシーで360度評価するとします。(税務署員を除き)イエス回答がゼロの人をリストラすればよい。簡単なことだが実現できない。

文責:清水 佑三