人事部長からの質問

2005/08/26 575

当社は営業力が弱すぎる。手を打ちたい。

営業マンに依存しない会社をつくることです。営業力は、一般的にですが、営業力のあるたくさんの先人の存在がないと組織として持てないし、また伝承できない能力です。トランプの全とっかえのようにいかないのです。一人ひとりに修得させるのに最も時間と手間がかかる能力が営業力です。営業マンに依存しない会社とはどういう会社か。圧倒的な技術力、商品力をもつ会社です。その会社への変身はごく少数の優秀な人の雇用でできます。問題はそういう人をどうやってみつけるか、またその人によい仕事をしてもらう環境をつくるかです。こちらも難しいが、営業力の底上げと比較するとまだやりようがあります。

文責:清水 佑三

2005/08/25 574

IPOを成功させる条件は何でしょうか?

技術天才のような人の画期的な発明を媒介にしてIPOを狙ってもダメになることが多いものです。その理由は、その人をトップにおいてしまうからです。天才は、非天才に対して寛容になれないのです。一人だけがどんなに優れていても会社は大きくなりません。頭ごなしに自分以外の人を批判したり、人前で叱責したりする人には誰もついてゆかないからです。天才技術者にベンチャーキャピタルがお金を出すのは溝にお金を捨てるようなものなのです。技術天才を鵜飼の鵜のように扱う番頭がいる会社、がIPOを成功させる条件だと思っています。

文責:清水 佑三

2005/08/24 573

「ブルペンピッチャー」を鍛える方法は?

難しいご質問です。日夜考えているテーマのひとつです。ブルペンピッチャーについて知らない人のために補足をすれば、(ブルペンピッチャーは)能力はあるのに、いざ鎌倉となると、その能力を発揮する弁が閉じてしまうタイプの人のことで、ブルペンと呼ばれる投球練習場ではやたらいいボールを投げるのに、修羅場のマウンドにあがると四死球を連発して最後にバカンと打たれる投手をいいます。そういう人を鍛えるよい方法ですが、我慢して使い続けることだけだろうと思います。今年の桑田真澄がよい例ですね。ブルペンでは(今年は例年になく)球が走っているのだそうだ。どういうわけかあれだけの人がマウンドにゆくとその球が投げられない。堀内監督はずっと使い続けていますね。ブルペンピッチャー病は意外ですが新人ではなくベテランに多いものです。

文責:清水 佑三

2005/08/23 572

懲戒規定は使いすぎない方がよいか。

飴と鞭という言葉がありますが、報償と懲戒はセットになっています。報償の方が、出す方もらう方ともに気分がよいので、数多く使われますが、ほぼ同数、懲戒も使った方がよいです。その方が組織を粛然とさせることができる。会社組織は目的結社です。目的に鋭く合致した場合は褒め、その逆は叱らないといつのまにか目的を忘れてぬるま湯になってしまうのです。その逆とは会社にダメッジを与えた場合です。留意したいのは、本人に反省を促すことも大事ですが、組織の本分を構成員に知らしめるメッセージ効果がより大事です。なぜ、なにを、どう懲戒したのか、わかりやすく全員に説明すべきです。その説明文作成には、定款を作るよりももっと優れた知能が必要です。

文責:清水 佑三

2005/08/22 571

お気に入りのホリエモンが衆院選にですまね。

そうですね。今度の選挙は面白いです。わかりやすい。攻撃と防御という二元論でゆけば明らかに小泉さんは攻めています。民主党の岡田代表は必死に守りに回っている。小泉さんが狙っているのは、自民党内の反小泉勢力の殲滅ではない。むしろ共産、社民と同列に動く民主党内の左派勢力です。本気で政界再編を意図しているのではないか。ホリエモンが小泉さんと志を同じくする、といっている意味はまさにそこにあると思う。彼は旧自民党の亀井静香さんにぶつかっていっているが、敵は本能寺にあり、だと思います。

文責:清水 佑三