人事部長からの質問

2005/09/27 595

人事考課のうまい会社のイメージを。

項目とかにこだわらない会社でしょうね。項目は何でもいいのです。あるべき人事考課は「(肯定的に)見ていてくれた」という実感の相互交換の場です。お互いがお互いの仕事ぶりに何かいいところを見つけて、それを言葉に出していい合う会社があったとしたら、とてもいい感じの会社だと思います。そういう風土醸成の仕掛けとして人事考課制度があるのではないかと思います。偏差値社会はそれとは違いますね。とても貧しい思想から生まれています。(旧)大蔵省の高官から弁護士になって活躍している人の講演をつい先日聴いたのですが、60分の持ち時間のうちの半分が自分の昇格、昇進の履歴の紹介でした。こういうヘンな人をつくってしまうヘンな世界が中央省庁のキャリアなのです。そこでの人事考課を想像するとうすら寒いものを覚えますね。

文責:清水 佑三

2005/09/26 594

社長の仕事って何ですか?

岩波書店のロゴマークではないですが、「種まく人」ではないでしょうか。シーズ(種)プロバイダー(まく人)が社長です。自分のことを振り返ると、中高年女性や高齢男性が活躍できる仕事の場を創り出したい一心で仕事をしてきているように思います。自分を磨いてやってきたのにそれを発揮する場が少ない社会なのですね。こういうことはあってはならないことだと思って、eひとショップという仕事市場を用意しました。社会への浸透度は脆弱の一語に尽きますが、こつこつと種をまき続ければやがて収穫の時がやってくると信じてつづけています。社長業ってそういう(報われることの少ない)仕事ではないでしょうか。

文責:清水 佑三

2005/09/22 593

社内公募制導入の最大のメリットは?

仮に社員すべてにオープンエントリーが保障された場合、全社員が今やっている自分の仕事について、(1)ほんとうにこのまま今の場所で今の仕事を続けることが自分や会社にとっていいのだろうか、(2)そもそも自分はこの会社で、何をしたい何ができると考えているのだろうか、(3)自分の仕事面での器用、不器用はどのあたりにあるのだろうか、などを考えるよい場、機会となります。その思考、点検を通して、個々の人の(今の)仕事をする姿勢のようなものに微妙な肯定的な変化が生まれます。より意識的、主体的になってゆきます。これが最大のメリットでしょうね。

文責:清水 佑三

2005/09/21 592

適性診断は自分には科学占いのように思える。

「科学的予測と占いの違いは何でしょうか。どの適性診断も科学的根拠に基づくとありますが、私には科学の名を借りた占いの一種と思えます」がかなり長いご質問文の主旨です。科学的予測と占いの違いですが、根拠の明示(透明性)と普遍性(合理性)にあると考えています。神社仏閣でひくおみくじはしばしば鋭い指摘をしますが、根拠が不明です。それに対して、ご指摘にある自己理解を尋ねる形式の質問紙法による適性診断は、(きちんとした会社のものであれば)診断尺度ごとにその根拠となる妥当性をデータで開示・説明できます。そのあたりを勘案すると(適性診断を)科学占いと決めつけるのは、良心的な適性診断事業者には失礼かもしれないと思います。

文責:清水 佑三

2005/09/20 591

既得権益グループの跋扈を許す理由は?

立法府がしっかりしていないから、に尽きますね。日本国家でいえば衆参両議会、会社でいえばボード(取締役会)が立法府です。ここが万事、総論賛成各論先送りでゆく限り、既得権益者は所領安堵、お家安泰です。ついでにいえば国連を含めて政府の肥大化はイコール腐敗化であります。毎年半分づつに小さくなってゆく政府があるとすれば、腐敗が入り込む余地がありません。同じ原理で、原価率、販管費率を毎年1%づつ小さくしてゆく会社を想定すると腐敗の反対の現象が起こります。市場競争力、事業品質そのものが脅かされる水準まで(原価率、販管費率を)落とせたとみたらそこで止めます。見渡せば社内の既得権益者は1人もいなくなっているでしょう。

文責:清水 佑三