人事部長からの質問

2005/10/12 605

自己変革できる人をOPQから見つけられますか?

人間ドックの検査データのたとえでいえば、要精密検査(可能性があるのでもっと詳しく調べてください)の信号をOPQから出すことは可能です。なぜなら、自己理解の形と(自己変革的)行動との間の一定の事実関係が検証されているからです。そこから申し上げると、OPQ32の「順応性」という尺度の得点が自己変革インディケータです。この尺度の得点が高い人は、状況に応じた行動がとれるという自己概念をもっています。言葉をかえると課長になれば課長行動を、社長になれば社長行動をとれるような「役者的性格」を自認しているのです。普通の人はそんなことはできません。

文責:清水 佑三

2005/10/11 604

課長層の行動が鍵だ。刺激する方法は?

御社のような大組織に限定されると思いますが、権力の配分原理を劇的に変えることです。小泉さんのように「改革をどこまで主導したか」の原理で権限委譲をするとアナウンスすればよい。ポスト小泉を狙う層は目の色を変えて「改革競争」に挑む。エネルギーが強く、頭脳優秀な男性の多くはトップから評価されて「支配への階段」を登りつめたいという強烈な願望をもっているゆえ、このやりかたが最も有効なのです。注意したいのは、小泉さんがそれを言えるのは「与党圧勝」の事実があるからです。強固な支配権の確立と評価基準の劇的変更はセットになっています。支配基盤が弱いところでそれをやると戦国時代を誘引します。

文責:清水 佑三

2005/10/07 603

言ってもやってくれない。こちらの能力ですか?

そうだと思います。言ってもやってくれない人に任せた責任です。あるいは言い方が下手なのです。そういいたいところですが、それではあまりに酷だと思います。多くの管理・経営等の任にある人の嘆きは、「言ってもやってくれない」だと思います。行政改革における当事者である官僚たちの総論賛成、具体化絶対反対の言動がもっともわかりやすい例でしょう。主権者が言ってもやってくれないのです。自分たちの予算を削減し続ければ、財政破綻は避けられます。しかし、毎年予算編成期になるとその反対の言動をとる。増額要求です。そういう綱引きをしつづけて生きるのが人の生き様なのであります。言ってもやってくれない同じ動物たちを抱えて、他社ができない成果をあげる会社は「それゆえに偉い」のだと思います。

文責:清水 佑三

2005/10/06 602

営業部隊の社内での横暴が目立つ。どうしたらよいか。

どういう理由でそうなるのかわからないのですが、価値そのものを創造する部隊よりも価値の移動・移転にかかわっている部隊の方が社内的な発言力があるものです。具体的にいえば、よい商品やサービスを作っている人、提供している人よりも、それを使う会社や人をみつけてくる部隊のほうが「偉い」のですね。前者が製造現場で後者が営業です。名鐘は何ゆえに名鐘なのか。鐘がいいのか、撞木がいいのか、撞(つ)き手がいいのか、温度・空気の物理条件なのか、わかりません。鐘の撞き手だけがいいのだというのが横暴な営業部隊の自己認識です。確かに撞き手がいないと鐘は鳴りませんが、私はやはりすべてが大切で同等の価値があると思っています。トップが横暴な営業部隊を抑えられないのであればそんな会社、辞めちゃえ、という意見です。

文責:清水 佑三

2005/10/05 601

総理総裁をやめた後、小泉さんのパッションは?

何度もご質問をいただいていてお世話になっている感の強い人からのご質問なので「そんなの知らねえよ」といわず、おつきあいをします。小泉さんの未来は読めません。多分、自分自身でも読めないと思います。最大の理由は彼がバクチ打ちだからです。バクチ打ちは私のご先祖なのでよく知っているつもりです。死ぬまでバクチを打ちつづけてまわりを振り回してしまうのがバクチ打ちの性(サガ)なのです。彼が次のバクチの主題をどこに求めるか、国連の事務総長などが視野に入ってくるかもしれません。ただ、彼の英語力だと難しい。死後の世界をぶっ壊すと言って自裁する可能性もあります。意外とそれが本筋であるかもしれない。

文責:清水 佑三