人事部長からの質問

2005/11/10 625

Q624.の関連質問です。社員に「自信と気概」をもたせるための御社の取り組みは?

株式上場はまさにそのために行ったといっても過言ではありません。1500人を超える方々が当社の株をもってくださっている事実は50人の社員の気持ちを大いに高ぶらせています。阪神、ロッテの選手が声援熱きがゆえに頑張るのと共通していると思います。また、(新聞の)株価欄に自社の社名が毎日載ることも上場の効用です。どこかで社員の「自信と気概」につながっていると思います。内部努力的なことで補足をすれば、360度評価システムを「褒めるための仕組み」として使っています。これも一人ひとりの社員の「自信と気概」の源泉の一つになっているように思います。

文責:清水 佑三

2005/11/09 624

いい雰囲気の組織をつくりたい。どうすれば…

会社の存続・繁栄への向かい風は、私の見るところ、組織全体を覆う「無気力」です。その反対の追い風のようなものは「自信と気概」です。「無気力」にしても「自信と気概」にしても、人の心性にからむもので、きわめて微妙でかつ捉えどころがないものです。プロ野球でいえば、監督が変わっただけで、3年連続で最下位にいたチームが4年連続Aクラスで優勝2回となりました。阪神タイガースです。「無気力」チームを「自信と気概」に変えたものは、選手への報酬総額アップではないです。星野仙一の夢と情熱です。以上の話で組織・文化の重要性や、それを引き出すものの正体についての超ミニ講義を終ります。

文責:清水 佑三

2005/11/08 623

eラーニング教材はどうしてこうつまらなく作っているのでしょう。

よいご質問ですね。まったく同感です。当社が自社スタッフ用に作っている教材を見せてあげたい。すべてアニメ形式です。しかも吹き出しの言葉は5、7、5の「やれ打つな、蝿が手をする、足をする」といった俳句調です。入り口の検索エンジンにも秘密があって、興味のある箇所に一直線に飛べます。『社内の電車男』たちが徹底研究した結果うみだされました。「面白きことのなき世を面白く」がeラーニング教材の開発プロデューサーに求められる才能です。御社のその任にある人にこの回答を見せてあげてください。

文責:清水 佑三

2005/11/07 622

会社に対する忠誠心を植え付ける具体的な方法を。

「事に仕えて濁らず」という言葉があります。野球選手でいえば「一球入魂」の心的態度をさします。あくまで対象は投げる「球」であって、チーム、球団、勝ち負けではないことに注意してください。「会社に対する忠誠心を植えつける」という言葉の使い方がまずもっておかしいのです。昭和初年ごろからの日本の指導部は、狂ったように国民に対して「国に対する忠誠心を植えつける」ことに腐心しました。根本的に間違っていますね。愛社精神のようなものが仮にこの世に存在するとしたら、それは会社が自分に対してとった態度、姿勢、与えてくれたチャンスなどに対する感謝の気持ちです。そのほかのものはすべて禍々(まがまが)しいものであります。

文責:清水 佑三

2005/11/04 621

605の関連質問です。「コミュニケーション力」の正体に迫ってください。

「力」という以上、何かができないといけない。仲良しの人たちがおしゃべりを楽しむのは教わらないでもできます。普通の人にはできない「おそろしいワザ」でないといけない。思い浮かぶのは、井伏鱒二の『駅前旅館』の番頭、生野次平です。井伏鱒二はこの小説を書こうと発意した驚愕的な経験をエッセイで語っています。ある実在の番頭にあって正真正銘びっくりした。この人はどういう場面、どういう状況でも「殺し文句」がいえる。その効用で相手がコロッとまいってしまう。もののいいかた、身振り手振り、目つき、声、ありとあらゆるものを使って、自分の思う落としどころに場面をもっていってしまう、と書いていました。こんなイメージをもっていますが、わかりますでしょうか。

文責:清水 佑三