人事部長からの質問

2005/11/25 635

看護学校を卒業して30年の正看護師です。病院も成果主義になりました。気がつけば看護師長ポストは大卒の昇格テストに強い若手で占められてしまいました。出世したいとも思いませんが釈然としないです。偉そうにものをいう清水さんはどう思いますか?

偉そうにものをいう私は最近、家族の事情で病院にいりびたりでしょぼんとしています。看護師さんの仕事がいかに大変かよくわかりました。また医師のかたがたも大変な仕事をしているなあ、とつくづく思い知らされています。個人情報保護とかコンプライアンスという言葉が流行っているのはご承知おきのとおりです。そういう時代にあっては患者が「あの看護師さんに私の財産全部をあげてください」と遺言されて死ぬような看護師さんよりも、法律とその運用事例に通じた生きたスコアブックのような人がより有用なのです。そういう人によって組織が私物化されてゆくようになってゆきやがて日本は滅びてゆく、が私の回答です。

文責:清水 佑三

2005/11/24 634

子会社の「イー・コーチング」でも社長?

スミマセン。そういうことになりました。日本エス・エイチ・エル販売株式会社をこの10月1日づけで商号変更し株式会社イー・コーチング(社内略称イーコ)としました。あわせて販売会社という位置づけをやめて、アセスメント・センターを事業とするサービス提供会社にしました。ところで、イーコの社長のポストは志願して激戦区を戦いぬき、やっと勝ち取ったものです。志願した理由はひそかな理想・夢があったからです。どんな理想・夢か。実際に実現させてみなさんにごらんに入れたい。夢を抱きつづけて、コツコツ、営々と努力を重ねて、いつの日か気づいてみれば、その努力が「ブランド」として結実していた。そのほうがカッコヨイですよね。還暦を過ぎたのにこんなにやる気になっている。自分でも不思議です。

文責:清水 佑三

2005/11/22 633

清水社長のライバルを教えてください。

面白いご質問ですね。ライバルという言葉を、その人のある面を超えることで自分自身のその面を鍛えたいと思う具体的な人、と定義した場合、私のライバルは恐れ多いことですが、福沢諭吉です。とくに、「複雑な事象をわかりやすく喩える」能力について、毎晩のように『文明論之概略』を読みながら、それを感じています。「自分はサルにわかるように書いている」という福沢先生の言い分のとおり、実に複雑で難しい内容をもつ訴えを幅広い領域から素材を選んでうまく喩えているなあ、と思うのですね。この人とマッチプレーで「喩えコンテスト」をやって勝ちたい、が正直なお答えです。

文責:清水 佑三

2005/11/21 632

「民営化=善」といいきれない気がしてならない。

冷静でよいご指摘だと思います。同感ですね。JR西日本の福知山線列車脱線事故が露呈した数々の会社としての「?」はそのことについて深く考えさせてくれました。また国営企業として出発し民営化した日本航空の無許可着陸、規定外部品、非常脱出装置の設定ミス、機内気圧低下による緊急着陸等の不祥事の連続も民営化=善という図式に対する懐疑心を刺激します。当初から民間であった全日空の「普通さ」と比べ何かが「異常」なのです。JR西日本、日本航空というふたつの民営化企業に共通するのは、私見ですが、トップの人間観が貧相であることです。役所の体質を温存して、独立企業としての自由を享受すると、社員が血と涙をもつ人であり、よい仕事をよい環境のもとで一所懸命にしたいのだという簡明な事実を忘れてしまうのではないか。

文責:清水 佑三

2005/11/18 631

独立行政法人になった途端、事務部門が威張りだしました。何かいい手は?

国立大学、国立病院において、「先生」が威張っていた時代が長くつづきました。それが、独立行政法人になると、威張る人が交代します。いわゆる「経営」が威張りだすのですね。会社においても同じで、身近に体験した例をあげれば、(英)エス・エイチ・エルグループがロンドン株式市場に上場した途端に、今まで中心となって仕事をしてきたビジネス心理畑の人たちが隅においやられ、財務、法務等のプロフェッショナルがボードを支配する事務統治機構が現出しました。よしあしとは別にこれは法制上逆らえない潮流ですね。従来の革新派はどうすればよいかというお尋ねですが、「人間力」を武器にした壮絶な人取り合戦に勝つしかないです。

文責:清水 佑三