人事部長からの質問

2005/12/16 650

世の中全て金ですか?

色男、金と力はなかりけり、という古川柳があります。「色」「金」「力」が人の三大欲望だということを問わず語っていると思います。世の中全て金ではないのでしょうね。実は「色」「力」も大事なのでは。以上は冗談です。16世紀の半ば、マラッカで日本人ヤジローに出会って日本に興味をもち2年あまり日本に滞在したバスク人宣教師フランシスコ・ザビエルがみた当時の日本人は「貧しいが、真理探究の熱い気持ちをどこの国民よりももっている。もっとも神に近い存在だ」でした。また昭和初期の日本にやってきて桂離宮の美を発見したドイツ人建築家ブルーノ・タウトは「日本人が忘却している日本精神の崇高さと自然との調和力」をうまず語ったものです。ちょっと前まで、日本人はじつに崇高な側面をもっていたのです。そういう伝統は必ず復活します。今はたまたま一方の極に振れているだけで、そうでない人は黙っているがたくさんいます。少なくとも私の周囲においてそういえます。

文責:清水 佑三

2005/12/15 649

『論理性』って何ですか?

よくわからないものですよね。わからないときは反対のものを取り上げるといいのですが『論理性』の対極に来る性質は『ホスピタリティ』でしょうか。いずれも人が何かを成し遂げようとするときの有力な武器ですね。弁護士さんや学問に勤しむ人たちにとっては『論理性』が、サービス業従事者には『ホスピタリティ』が優先するだろう、そこまではわかるのですが、普通の会社で普通の仕事をしている人にとって『論理性』がほんとにどこまで必要か、私にはよくわからないのです。ここで言う『論理性』ですが、建築に喩えると、『耐震性』として働く柱、梁等の効用を指して言っています。鉄筋の量を減らすと、震度5の地震で壊れてしまう。ああいえばジョウユウさんは、震度7の批判にも立派に抗弁していました。『論理性』を武器にしたからですね。隣の席にああいう人が座っていたら辛いですよね。

文責:清水 佑三

2005/12/14 648

ラジオが情報源だそうですが、ほんとですか?

ほんとです。民放ではなく、NHKのFM、第一、第二放送だけです。何がいいのか、自分でもよくわからないのですが、日曜日はラジオデイです。お昼のFM『日曜喫茶室』、夜の第一放送『日曜名作座』などはほんとに長くにわたって、楽しく聞かせてもらっています。はかま満緒さん、森繁久弥さんの場をつくる力はほんとに凄いといつも思います。ラジオの何がいいのかよく考えるのですが、突き詰めると文字が入ってこない世界の魅力でしょうか。漢字やアルファベットを意識しないと理解しにくい説明的なことをいう人は自然に(制作側から)避けられていると思います。それが自分にとって快いのでしょうか。

文責:清水 佑三

2005/12/13 647

管理職に必要な能力を3つに絞って教えてください。

よい質問ですね。複雑で精緻な理論体系をありがたいと思う人がいますが、間違った場所で緻密に生きるよりも、正しい場所で大雑把に生きる方が、自分と周囲の両方の幸せ感につながるとみています。ご質問への回答ですが、(1)ファクトファインディング、(2)プレゼンテーション、(3)ストレストレランスの3つだとみています。(1)はシャーロックホームズがもっている能力です。(2)はNHKの日曜討論に登場する政治家がもっている能力です。(3)は野球の抑えのエースがもっている能力です。この3つがあると、目標・方法の選択を過たず、人をして意図した事を為さしめ、詰めをあやまらないでチームの大事をリードできます。

文責:清水 佑三

2005/12/12 646

博学の清水さん、山田方谷をご存知ですか?

知らなかったので、Googleで、「山田方谷マニアックス」を探しあて、この土日は幕末の陽明学者山田方谷にはまってしまいました。矢吹邦彦氏が書いた『山田方谷と炎の陽明学』の最初の部分には「清冽な求道者にしてリストラの天才」「身分主義を否定して能力主義を採用した改革者」「上杉鷹山が子供に見えるほどの見識と成果」などの過激な言葉がぽんぽんでてきて、ほんまかいなと思うほど。ご質問を感謝し、よく勉強したいと思います。陽明学については大塩平八郎、三島由紀夫とつづく「決起」の系譜に興味があって、二人が重視した「陽明学」に秘密があるのでは、と思って少しづつですが勉強を始めておりました。本日はこれで勘弁してください。

文責:清水 佑三