人事部長からの質問

2005/12/26 655

女性にだけ優しい上司がいます。男女差別でしょうか。

ビジネスマン心得の一つに、およそ相対峙する全部の人への「意欲喚起」があります。向き合う相手をその気にさせないといけないのです。「人を見て法を説く」というお釈迦様の教えのとおり、怒ると頑張る人を相手に褒めてもダメだし、その逆もダメなのです。男女の生物学的性差に注目して優しさの配分をコントロールする人がいるとしたら、とても賢いビジネスマンですね。男の人の多くはバカにされると闘争心を燃やすのですが、女の人の多くはそうではない。優しくしてくれる人のために努力されるのですね。相手をみてモチベーション・コントロールをする技法を男女差別と呼んで禁止するのは愚の骨頂ですね。

文責:清水 佑三

2005/12/22 654

人目と客観の違いを教えてください。

「客観的に見ていたつもりが、いつも人目を気にしていただけなようにも思えてきました」と質問に添えられていました。人目とは他人の主観的見解のことです。傍目ともいいます。この視線を意識しすぎると「冒険」はまずできなくなります。「冒険」をする人に対して周囲は間違いなく嫉妬するからです。客観的に人をみる、とよく言いますが、事実ベースで人を解釈する、がその意味あいです。足の速い人、背の高い人、勉強のできる人、という形容はそれにあたるでしょう。一方で「感じがいい」「正しい生き方をしている」などは、根拠となる事実を示すことが難しいものです。現実論として客観的に人を見る、は遠くにありて思うもの、の代表で現実には存在しないものゆえ、傍目を気にして生きる、はナチュラルであり正解です。

文責:清水 佑三

2005/12/21 653

野球がないと寂しくありませんか?

そうですね。確かにそういう感じはありますね。ただ、負け惜しみのようですが私には野球を見ることのほかに「新しい仕事をたちあげる」というハタ迷惑な趣味があって、今のところはそれで結構にぎやかにやれています。今はもう消滅してしまった文化放送ブレーンは同志14名と一緒に、20歳台のときに文化放送とかけあって立ち上げた会社です。日本エス・エイチ・エルも同じように文化放送ブレーンとイギリスのSHLの両方にかけあって40歳台で立ち上げました。今回は60歳台で株式会社イー・コーチングという会社を日本エス・エイチ・エルとかけあって立ち上げました。来春の第1回の国別対抗戦(WBC杯)まで、新しい会社の目鼻だちを整えることに全力投球して野球のない寂しさを紛らわそうと思っています。

文責:清水 佑三

2005/12/20 652

よい社是、社訓の見本はないですか?

私が一番感心したのは、丸井さんのものです。ずいぶん昔(30年以上前?)の話で恐縮ですが、丸井さんの研修セクションにお世話になったときに、何かの弾みで社訓のことが話題になりました。お宅の社訓はどういうものですか?という私の質問に「すべて汝がことなれ」という丸井さんの社訓を紹介してくれたのです。これには正直びっくりした。私は「すべてあんたが悪いのよ」と思う人だったのでしょう。何かが音をたてて弾け飛んだような気がしました。たった一言で開眼したといえばオーバーですが、この一言は私を完全に変えてくれたように思います。お礼にならないお礼ですが、創業した会社のオフィスを丸井さんの近くに置き、何か買い物があるときは丸井さんに、ができるようにいたしました。

文責:清水 佑三

2005/12/19 651

未来が明るい、と思えない。どうすればよいか。

心身がとても疲れているのだから自分を「強制疎開」させたほうがよい。寝て、食べて、遊びまくるとまた違った風景が見えてくるもの。眠れない、食べられない、面白い遊びも思いつかないのだったら、思い切ってクスリの力を借りるべきです。(こういう場合の)カウンセリングというのは私は信用していないので薦めません。むしろ、最新鋭の眠りクスリがよい。「サイレース」が(私の場合)よく効きます。医師に不眠を訴えれば黙って処方してくれると思います。体温の上がり下がりのダイナミズムが減って、静かな心身になります。未来が気にならなくなるのですね。ちょっと怖い話です。

文責:清水 佑三