人事部長からの質問

2006/01/19 668

ホリエモンびいきの清水さんの今の見解は?

徹夜の家宅捜索がおわった直後の(1月17日の)朝7時過ぎに堀江氏が記者会見の場に臨みました。そのテレビを見ての印象ですが、この男は「ハラをとことんきめているな」でした。耐震構造偽装の問題で登場する「疑わしい人たち」の往生際とはまったく異なった何かがありました。一言でいえば、戦いに負けたもののもつ静けさが漂っていたと思います。読売が伝えたように、本体の粉飾決算についての証拠が仮にでたとしたら、トカゲの尻尾切りではすみません。高木彬光の『白昼の死角』のモデルとなった光クラブの首魁と同じ運命を予感しています。

文責:清水 佑三

2006/01/18 667

社員全員に御社の適性テストを受けさせたい。

ご質問にあったOPQは、その人の適性をテスト(検査)するものではないです。むしろ、自分がとっている行動についての自覚を尋ね、(回答した人の)行動傾向についてのプロファイルを求めるものです。そのプロファイルを分析することで、職種間差異、階層間差異、出身母体間差異などが顕著にあらわれる場合があります。高度利用法はたくさんありますが、定着率アップに使う例を紹介しましょう。回答者の「水を得た魚度」「陸(おか)にあがった河童度」のようなものを評価してOPQの尺度得点に付加して分析すると、組織の水になじむ(なじまない)人において顕著な(共通)プロファイルが検出されます。そういう人を優先して採る(採らない)と組織は次第にしまってゆきます。

文責:清水 佑三

2006/01/17 666

不良品撲滅を叫んでも「?」の顔をされる。妙案を。

30人の人が働く自動車部品の工場経営者の方からのご質問です。半分がペルーから来た人だそうです。不良品撲滅キャンペーンをしても効果がない、何かよい案はないか、というお尋ねです。私の意見は単純で、チームをつくって「月例コンペ」をやればいいと思います。前月に比べて不良品率を改善したチームのメンバーに月ごとに報奨金をあげるのです。改善率の大きさで金額を決めておくとよいでしょう。チーム編成をするときに、キャプテンシーをもった人を必ず1人、それぞれのチームに配置します。目の色を変えて自主的に取り組んでくれたらもう勝ちです。

文責:清水 佑三

2006/01/16 665

スタッフ部門への目標管理制度(導入)に賛成されますか?

BSC(バランススコアカード)という評価手法をご存知でしょうか。当社ホームページの「人事改革各社の事例コーナー」をみてください。BSCで検索エンジンを動かすとBSCについての企業事例の紹介と私のつたない解説が読めます。要約すると、ハードメジャー(数値化できる部署での目標設計)とソフトメジャー(数値化が難しい部署での目標設計)を目標管理制度の運用で切り分けてゆく考え方です。スタッフ部門への目標管理はまさにソフトメジャー領域の典型です。「質」とか「信用」のようなあいまいもことしているもののレベルを不断にあげてゆくことが組織の課題である場合、特に有効です。

文責:清水 佑三

2006/01/13 664

日中軍事衝突はありますか?

64年前の日米戦争を思い返したいですね。愚見によれば、大正8(1919)年ごろから顕著になったアメリカカリフォルニア州の日本人学童排斥運動などの日本人(移民)に対するアメリカ社会の執拗な差別が対米戦争やむなしの「声なき声(国民心理)」をつくってゆきました。頭山満、大川周明などによる人種差別撤廃運動がもりあがり、こうした世論が後押しとなって1919年の国際連盟(憲章準備)規約委員会での、日本代表団の人種的差別待遇撤廃提案となりました。この提案は米(中)によってケンもホロロに否決されました。米中憎しの国民感情は増幅しました。ファン(国民)が選手(国家指導部)を動かすのです。その逆ではないです。以上は枕言葉です。歴史を鏡に考えれば、日中軍事衝突がいつ起こってもおかしくないと私はみます。

文責:清水 佑三