人事部長からの質問

2006/02/02 678

若い人たちのコミュニケーション能力は衰退してきていますか?

そんなことないです。というよりも、そもそもコミュニケーション能力とは何をいうのだろうか、私には実はよくわからないのです。たとえば中国に赴任している日本の外交官にとって、沖縄まで自国の領土だと主張しはじめた一部の中国人とどうコミュニケーションすればよいというのでしょうか。コミュニケーション能力の高い人であれば、そういう相手が納得して自説を撤回するような対話ができるというのでしょうか。そんなことは子供の理屈でできないと思うのです。異なる価値観、知能タイプ、行動傾向をもった人と、共有できる世界には限界があると思うのですね。若い人たちの価値観、知能タイプ、行動傾向は、若くない人たちとのそれとは、いつの時代であっても埋めがたい溝があるものです。それを超えて一体になる技術はないと断言します。

文責:清水 佑三

2006/02/01 677

アルバイト職ですが、正社員になりたい。どういう気持ちの持ち方が大事か。

Q370.のフリーターについて書かれた 「どういう仕事に就くかが大切ではなく、就いた仕事とどう毎日向き合うかが大切。」 という言葉に、いつも励まされております、という添え書きがありました。お書きになられた文章、とても嬉しく思いました。ご質問ですが、貢献の「幅と深さ」ということに尽きると思います。スーパーのレジで働いておられるパートの方は立派にお店に貢献していると思いますが、貢献の「幅と深さ」とういう点で、利益創出に責任をもつ店長の方に及ばないだけだと思います。アルバイトの仕事をしながら、アルバイト職を使っている管理者の視点や問題意識をしっかりもつことができれば、アルバイト職免許皆伝だと考えます。

文責:清水 佑三

2006/01/31 676

会社のポジションと年齢に妥当な関係はありますか?

浅田真央さんが年齢条件でオリンピックにゆけないことについての感想が添えられていました。グランプリ大会には出れてオリンピックには出れない、は確かにヘンな話ですね。さて、お尋ねの年齢とポジションの妥当な関係ですが、(ポジションによっては)年齢という要件が入ってくる場合があるのではと思っています。国家機能でたとえれば、国家を代表して外国に駐在する「大使」職などが思いあたります。一定以上の年齢の人でないと「大使」は務まらないとみます。その理由は「落ち着き」「威厳」が必要なポジションだからです。もっといえば、恰幅がよくないと勤まらないすべてのポジションは年齢要件を必要とすると思います。

文責:清水 佑三

2006/01/30 675

応募した学生全員を当社ファンにしたい。何をすれば?

全員というのは難しい注文だと思いますが、説明会に来てくれた学生の半分以上をファンにしてしまう、は目標としてもつべきだと思います。知名度抜群でない(普通の)会社において、採用活動=ファン形成、ではないでしょうか。具体的なアイデアですが、NHK「青年の主張」のようなスピーチコンテストを企画し、部署対抗戦の形で実施するのです。目的は社内に隠れている「タレント」の発掘です。最優秀賞をとった人を説明会の話し手に起用すればよい。笑いと涙、が選出のキーワードです。多くの会社が「ミスマッチ回避」を念頭において、理詰めの説明会を行っているときに寅さんや浜ちゃんのような人が出てきて会場が笑いと涙に覆われたら、ファン形成競争で圧勝すると思います。

文責:清水 佑三

2006/01/27 674

センター試験の英語リスニング問題の不具合についてどう思われましたか?

異なる領域かもしれないが、テストを扱う事業者としての意見をぜひ聞きたいと添えられていました。不具合が報道された後、記者会見したセンター試験側の話では、昨年に実施した試行テストの際の不具合状況は3万5000人の受験に対して故障18台、今回の本番では49万2596人の受験に対して故障申し出448台。単純に故障率を計算すると、テスト時の0.05%から0.09%に跳ね上がったことになります。あきらかに統計的に有意な差ですね。この跳ね上がりが何によっているか興味があります。この手の機器の工場出荷時のロットごとの不良品率にそんなに大きな差はないと思うのですがよくわかりません。ただ、英語リスニングをセンター試験に導入した時点で予測されていた事態であり、驚くことではないと思います。テスト事業者の立場で気になったのは、不具合の申し出があったときに一部の会場で対応ができなかったことでしょうか。もって他山の石となす、だと思いました。

文責:清水 佑三