人事部長からの質問

2008/01/11 1154

お正月はどのようにして過ごされましたか?

暮れに父親を亡くしたこともあって、この正月はしずかに喪中していました。例年になくテレビ(スカパー)で映画をよく見ました。日本映画専門劇場でやっていた高倉健の『駅』、『海峡』、『居酒屋兆治』、『夜叉』をじっくり見ました。いずれも1981〜1985年くらいに作られた映画だと思いますが、ちっとも古くなっていないのに驚きました。特に『夜叉』の田中裕子とビートたけしがよかった。この映画はこの人たちの良さを見せるために作ったのだと勝手に思いました。『駅』、『海峡』、『居酒屋兆治』のカメラはいずれ木村大作さんですが、北の海の荒れた感じを撮るのがうまい。なんともいえない質感、空気感にしびれました。健さんが使う茶色の革のボストンバッグが『駅』、『海峡』で一緒だったのが愛嬌でした。

文責:清水 佑三

2008/01/10 1153

優秀なマネージャー層の退職を食い止めたい。

「社員数100人に満たない会社です。優秀なマネージャー層から退職者がでています。よりよい条件・待遇のところに移っている印象があります。対応策として、成果主義的報酬制度に変えました。社内に活気は出てきたように感じられますが、良質のマネージャーが辞める状況は完全には改善されていません。どうすればよいでしょうか。」…マネージャーの登用基準が違うのではないか、と思います。自分のことよりも、会社のことや周囲の人のことを優先して考える、そういう人をマネージャーに登用してください。そうすれば、おっしゃるような「ボロボロ歯が抜けていくような」幹部の流出はなくなるとみます。表面的な優秀さに囚われて抜擢・登用するがゆえに起こっている現象です。

文責:清水 佑三

2008/01/09 1152

交渉術を身につけたいのですが。

「社内外を問わず、日々交渉ごとの毎日です。それぞれの主張・言い分がある中で、ついつい周りに振り回されてしまう自分がいます。うまく自分の思う方向に人を動かす交渉の秘訣のようなものがあればぜひアドバイスをお願いいたします。」…そんなものねえよ、というのが率直な回答です。交渉術とかプレゼン術とかいいますが、そんなのは出来の悪い手品です。数々の修羅場を乗り切った西郷隆盛さんは、260年続いた時代を回天させた大偉勲ですが、「敬天愛人」という言葉しか遺していません。天を敬い、人を愛す、それしかないと言っているのです。敬天とは「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と思うことです。愛人とは「そこにいる交渉相手を好きになる」、です。

文責:清水 佑三

2008/01/08 1151

清水さんのコミュニケーション能力論をききたい。

「若手社員のコミュニケーション能力に疑問を感じます。彼らのその能力を伸ばすために、上司としてどのように指導すべきでしょうか。」…どういう人をコミュニケーション能力がある人として見るかが問題です。歴代の総理でいえば、小泉純一郎はその能力が高かった。福田康夫はその反対だと思います。判断の根拠は外国首脳による人物評価です。たとえばブッシュ大統領は、小泉純一郎を非常に高く評価し、ことあるごとに特別待遇しました。福田康夫に対しては先般の訪米時にケンモホロロの扱いをした。では、小泉流コミュニケーション能力は教えることができるか。まったく出来ないでしょう。彼の人生と対話力はセットになっていて切り離せないからです。スキルとして部品扱いできないもの、それがコミュニケーション能力です。

文責:清水 佑三