人事部長からの質問

2007/04/05 967

病腎移植の万波医師について清水さんの見方を。

私は現代の(世界の)医学全体に対して強い不信感をもっています。極端な言い方をすれば、中世のキリスト教会がもっていた(宗教的)ドグマ性に医学界は支配されているとみています。政治、行政、大学、病院、医薬事業者などが自己の利益のために教会を利用しています。医師は教会に抵抗できない聖職者たちです。医学の名のもとに医師が合法的に人を殺している例がたくさんあると感じています。そういうドグマからフリーである稀な人の例として万波医師をあげたい。彼は、移植しか手がない患者が目の前にいて、病腎しか手に入らない現実を踏まえた上で、打算ゼロで医療行為に踏み込んでいる人です。アメリカの移植学会は万波医師の考え方を一つの現実的なオプションとみて許容しているという話もあります。医学界のドグマからの脱却があるとすればアメリカからかもしれません。万波医師が偉いことは、彼によって命を与えられた患者たちが一番よく知っています。

文責:清水 佑三