人事部長からの質問

2003/08/21 84

階層別研修の評判がよくない。

リターンを求めるからいけないのです。お盆の帰省だと思えばリターンもコスト・パフォーマンスも何もないです。「癒し」という流行語がありますが、あれだと思えばよいのです。同期で入社したというのは何かのご縁です。自然に戦友意識が芽生えます。会社が次々と出会う事件を(同じ世代感覚で)共有してゆくわけですから、機縁は年々強まることはあっても弱まりません。そういう同期結合を何よりも大事なものとして大切にしてきたのが日本企業です。退職後のOB会がその象徴です。こうした同期結合は、我々の深層の無意識層が求めているもので理屈ではありません。お盆でこれだけ多くの人が帰省するのと全く同じものです。階層別研修を成果主義の視点でみないで、会社の宗教的な行事だと思えばよろしい。そうすると、お神酒をくみあう夜の時間こそが神事であり、最高度に大切にされるべき時間だとなります。滅びる民族の兆しは固有の言語と神事を失うことだそうです。廃止論は「こちたきひがごと」です。

文責:清水 佑三